Google Analytics v4の「タグ付けの詳細設定」メニュー追加、今回の機能追加で移行は可能に

皆様のGoogle Analytics v4アカウントにも来ましたでしょうか?データストリーム設定に「タグ付けの設定」メニューが追加されました。(日本語版ヘルプ)

こちらではイベントまわりの設定とクロスドメイントラッキング、内部トラフィック定義などGoogle Analyticsで計測を行う際に最低限やっておくべきと言われている機能が入っています。


内部トラフィックの整理ではIPアドレスまたはCIDRで指定できます。traffic_typeの値はヘルプにもある通り、デフォルトはinternalですが任意に変更可。

IPアドレスは適当にこんな風に。Google検索で自分が今アクセスをしているIPアドレスをすぐに確認できるよう、リンクが貼ってある事も便利。Googleの機能の紹介にもつながっている感じですね。

フィルタの並び替えも左側の「順序」アイコン、ドラッグで出来ます。

フィルタを作成したらテストを行いましょう。プロパティ設定の「データ設定」に「データフィルタ」も今日から追加されていました。

フィルタモードが「テスト」の状態で気づかない...という事故も発生しそうです...。ヘルプにある通り一度有効化して除外したデータは復旧できないので必ずテストが必要そうです。個人的には今までのGoogle Analyticsの認定試験を受けている方には常識だと思いますが万が一に備えて、フィルタなしのビューとフィルタありのビューを2つ作っておく方が良いと言われていましたが、今回それを行うためにはデータストリームを2つ作るしか方法は無さそうです。テスト状態のようにtraffic_typeでフィルタできるという程度のものの方が楽な気も個人的にはします。Bigquery側にも手が入るので避けているのかもしれませんが...

恐らくこの部分のポイントはデータストリームごとに設定が出来る点と、全体の有効・無効が別れている点。トラフィックの除外オペレーションを入れたデータストリームと入れていないデータストリームを用意して、プロパティ全体で有効化するという流れになると思います。

そして2つ目の目玉としてクロスドメイン設定ですね。待ちに待ってました。(ヘルプはまだ現在英語のみ)

今回のクロスドメイントラッキングはヘルプにある通りクリックURLへ付くパラメータは

_gl

となります。前のblog投稿でも書きましたがUniversal Analyticsと併用したdual taggingを行う場合にはヘルプの注意事項を必ず読む必要がありそうです。

If you instrumented your domains to populate Universal Analytics and Google Analytics 4 properties at the same time (dual tagging), it is important that your setup for cross-domain measurement is consistent across both (i.e., identifies the same domains). If it isn’t, you may experience unexpected results.

When you enable cross-domain measurement via a Google Analytics 4 data stream, other Universal Analytics properties or Google Analytics 4 data streams with tags on the same pages behave as if cross-domain measurement were enabled for them, as well. This happens because the cookie containing the user identifier (client ID) is shared among all Google Analytics tags on a page.

要するにdual taggingの場合はUniversal Analytics側も同じクロスドメイントラッキング設定をしておこうねという内容で、理由としてはclient IDが共有されてしまう事によって値がおかしくなると説明されています。

設定は至って簡単。 


正規表現も一致も含むも全部使えます。


今回私はGoogleも推奨しているdual tagging方式にしようかなと考えているのですが、このクロスドメイントラッキング、ヘルプを前に見てからずっと設定悩んだまま結論が出せていません。

小規模ウェブサイトで360を利用していない方は、もしかすると少し悩みが増えるかもしれません。

Google Analytics v4用measurement protocol(alpha版)追加

先週には無かった新しく追加されている「Measurement Protocol API secrets」。ここでは名前の通りGAv4での「Measurement Protocol」を利用する際に必要となるSecretの発行ができます。



(参考)GAv4版Measurement Protocol Reference

またGoogle AnalyticsのDemo & Toolsにも新しくテストツールが出ているようです。(ページ左側メニューからはまだ辿れなそう)

このDemo&Toolsで叩いたデータも普通にGAv4画面内で確認できます。


Customで任意のイベントを飛ばすこともできますが、現在事前に提供されているイベントのセットとパラメータセットは30個弱のようです。
  • add_payment_info
  • add_shipping_info
  • add_to_cart
  • add_to_wishlist
  • begin_checkout
  • earn_virtual_currency
  • generate_lead
  • join_group
  • level_up
  • login
  • post_score
  • purchase
  • refund
  • remove_from_cart
  • search
  • select_content
  • select_item
  • select_promotion
  • share
  • sign_up
  • spend_virtual_currency
  • tutorial_begin
  • tutorial_complete
  • unlock_achievement
  • view_cart
  • view_item
  • view_item_list
  • view_promotion
  • view_search_results

現状alpha版ということで操作履歴に載ってこなかったり、広告と連携した場合のコンバージョン計測がうまく行かなかったり、コンバージョンの値が(not set)となってしまうなどの減少が確認されているようです。

(参考)Limitations

ちょうど今日GAv4でmeasurement protocolの旧エンドポイントを試していて、うまく行かず後で調べようと思っていた矢先だったので、ちょっとうれしい反面、実際に利用するには正式リリースを待つほうが良さそうだという事が分かりました。


海外の情報を見ていると少しずつメニューが追加されていたりするようですが、中でも個人的に欲しいのが、このTagging Settings。cross domain tracking設定はこちらから行うアナウンスがhelpでもされています。(以下画像は私が使っているGAではありません...)


もう一つ、IP除外設定などは別のプロパティメニューに追加されるアナウンスが、こちらもhelpにされています。

このあたりは、もうしばらく待つ必要がありそうです。

Google Analytics v4のID統合まわりの仕組み整理とプラポリ検討材料

 Google Analytics v4では異なるデバイスでサービスを利用していても統合して分析することがメリットの一つとなっていますが、その「統合」のやり方は以前skillshopの話で出したようにGoogleはUser-ID > Google signals > Device IDの順に評価すると書いていました。

Google signalsは2018年にGoogleが言及していますが、これはサービス自体にログインをしていなくてもGoogle側が同一ユーザであることを特定します。(オプトアウト)

■Google Analytics v4におけるGoogle signals有効化(デフォルト無効)


ではIDは、それぞれどのようなものなのでしょうか。

■User-IDの利用は設定可能(デフォルトUser IDを利用)


Google Analytics v4では取得する情報と、そのデータの置き場所などによってユーザ向けにオプトアウトや許諾を取得するものは変わりそうだなという印象。(専門外です)

  • Google Analyticsのデータは海外クラウド保管のはずなので海外のデータセンターにデータを配置することに対する許諾が必要なものがあれば規約等にうたう(個人情報等は特に)
  • Bigqueryに関しては以前書いたようにデータを配置するリージョンを選択できるため、分析用途等で様々データを統合する場合は東京リージョンあたりを選択する
  • Bigqueryのデータセットに有効期限を設定するか検討する(データ作成後●日でデータ削除)
  • Universal Analyticsの場合はIPアドレスを収集するか決定し、収集しない場合はGoogleが案内している匿名化処理を設定する。GAv4になる以前のFirebase Analyticsは元々IPが匿名化されていたのでGAv4は匿名化されているという整理で良いはず...見る限りIPデータは無さそう
  • Google Signalsに関してはオプトアウト導線を設ける(リンク : https://adssettings.google.com/)
  • PCブラウザのオプトアウトに関しては今までのaddonでも可。ただしスマホではアドオンが2020年10月現在でも利用出来ないためユーザへ許諾を得る。許諾を得られなかった場合はGoogleが提供しているopt outのkey-valueを渡す
  • Universal AnalyticsはGoogle AnalyticsデータをGA専門家と共有等設定をしているかどうかと、ユーザへ通知すべき場合は通知する
  • Device IDでIDFAを利用する場合はApple側の縛りでユーザ許諾が必要
  • Concent Modeはよく確認し、analytics_storage='denied'などの必要性について検討すること
  • データ保持期間をよく確認し、ユーザへ通知すべき場合は通知する(デフォルト2ヶ月。14ヶ月も選択可)

ユーザーデータ取得や保管、分析やデータの置く場所を考えながら自社のプライバシーポリシーや利用規約などを更新する必要がありそうだなと思いました。

もしかすると認識が違うものも含まれているかもしれませんのでツッコミ等よろしくおねがいします。

Google Analytics v4のProduct LinkingでのFirebase表示条件

 Google Analytics v4の「PRODUCT LINKING」メニューがプロパティによって違うなと思っていたのですがGoogle Analyticsからv4プロパティを新規に作成した場合はFirebase Linkingメニューはありません。


Firebase側からGoogle Analyticsのプロパティも同時作成する、またはFirebaseのコンソールからGoogle Analyticsのプロパティへ紐付けした場合にはFirebase Linkingメニューが現れます。

Firebaseだと管理画面のIntegrationsからGoogle AnalyticsをEnableにしてあげて、Google Analytics側で作成したv4プロパティと接続するか、または新規にGoogle Analyticsにプロパティをその場で作れるので作る事でも同様の表示になります。



今まではGoogle AnalyticsのデータをBigqueryに吐き出して分析をするためにはFirebaseが必要でしたが、Google Analytics側でv4プロパティを作成しBigqueryが使える課金プロジェクトと紐付けするだけで全データBigqueryでも利用可能になるという事なんですね。
この点は海外のブログでも結構触れられていたような気がしますが全部「後で読む」リストに放り投げてしまったままでした。

ちなみに一部の方にはとても重要な情報だと思いますが、Firebase側からBigqueryへ接続する際ではデータのロケーションを設定できるのでデータの置き場所を東京リージョン(asia-northeast1)とすることができますが、Google Analytics側からBigqueryと接続しにいった時も可能でした。


このデータが海外に置かれてしまうか、国内に置かれてしまうかという問題は本当にサービスによっては超重要な内容で、顧客むけにうたうプライバシーポリシーへの書き方だけでなく「クラウド利用したい!」という要望がボッキリ折られる原因にもなりかねません。。。


なおFirebase側でBigqueryに接続する際Google Analyticsのデータも接続する設定とすると、自動的にGoogle Analytics側の管理画面でも接続が確認できるようになりました。


GCPの該当プロジェクトを課金設定しない場合はstreamingは利用できないみたいですね。

Firebase側でGoogle Analyticsとのリンクを切る時のメッセージでは特段気になる点はありませんでした。



あと分からない点は今までアプリはFirebase、WEBは旧Google Analyticsで計測していた場合、WEBをv4へ移行しFirebaseと連携させた場合の動きですが、たぶん今までのGoogle Analytics等を考えると過去データは過去データ、連携したタイミングからのデータが統合されて見れるようになるのではないかと予想しています。
ここはまたドキュメントを漁ろうかと思います。

あと調べたいところとしてはGAのcore reporting v4 APIは、ビューがないので利用不可となると自動化するためには必ずBigqueryを通す必要が出てくると思うので、今までもBigqueryからデータを自動で沢山引っ張っているものに追加することで動くかどうかを確認したいところです。

Google Analytics v4の既存プロパティからの新規設定ツール・設定アシスタント・ストリームツールチップ・データ削除リクエスト

 プロパティメニューでアップグレードメニューがあるというのはhelpにも記載はあったのですが、まだ管理している複数プロパティのうち一つのプロパティしか表示されていなくて、いまいち条件が良くわからずにおります。(一番閲覧しているプロパティに現状は付いている)

既存のデータ収集はそのままに新規にga4プロパティを作成するような流れなので、これは単純に利用してみる価値はあるかもしれない。


すでにGA4をお試しで設定していたプロパティにはアシスタントメニューが追加されていて、新しくGA4を利用する際に何から手を付けるかはこの辺から考えると良い気がします。



たぶんtooltipは今まで無かったと思いますが、今日見たら追加されている。そもそも測定するトラッキングIDどこよ?という人には、とても良いですね。「UA-」みたいなプレフィックスで覚えている人にとっても「G-」だよというのが分かる。


データ削除リクエストは新規に追加になったらしい。


skillshopでGoogle Analytics v4の初級講座を受講

「次世代のGoogleアナリティクスについて」という初級講座が公開されておりますが、日本語版があるのを気づかず英語版でパスしました。悔しいのでこちらにもメモ。(文章読んで理解度チェックするだけの簡単な講座です)

Googleのヘルプ等からもリンクやアナウンスがありますが、GAv4について概要を知りたい方はまずは受講されると良いかもしれません。

Universal Analyticsの立場となったgtagと比較しGAv4は何が違うのか、どういう機能が違うのかといった基礎的な考え方から、タグ設定の手順、GAv4でのID統合等の特徴的な機能に関するドキュメントがあります。

例えば英語版ですが

In GA4 properties, data is processed using all available identity spaces. First, Analytics looks for User-ID because this feature uses the data you collect. Next, it tries Google signals, and finally, if there isn't a match for either, it relies on the device ID.

User-ID > Google signals > device IDの順に評価するという内容が書かれていたりしますが、こういう部分は面白いのではないかと思います。

GAv4に関してはGoogleのhelpも英語版しか存在しなく、日本語だとリンクすら無いものが複数あります。また、まだ解決出来ていないのですがhelpに書かれているメニューを見つけられていないがために設定できないものがあります。 

例えばcross domain tracking。ヘルプ自体がBETA表記になっているのですが設定手順としては

  1. 左側のメニューで「Admin」画面
  2. Data Streams > Webを選択
  3. Additional SettingsのTagging settingsを押下する...
らしいのですがこのTagging Settingsメニューが見当たらない...(案内ページ)
※このような未リリース機能は海外のフォーラムでも話題になっているようです


ひとまず今出来る設定を優先的に行っていますが、helpは一部gtagの話が入り込んでいたりするので、私自身gtagがノーマークな部分もあり少し分かりにくさが出てきているかもしれません。

今が一番面白い時期ですねー

google tag managerのpreview画面変更

 Google Tag Managerでリリースを行う前にPreviewを行ってデータを確認すると思いますが、Preview画面の遷移が変更されていました。

まずはPreviewメニューを押下すると別タブでURLの入力が求められます。


URLを入力すると、該当のウェブサイトが別タブで表示されDebuggerと接続されたことが通知されます。


PreviewでURLを入力したページ側では接続された事の表示と今までPreviewで表示されていたタグの発火状況が一覧でわかります。(特に以下画像はマスク必要はないかもですが)


今まで画面をframeで分割するような見え方でデバッグをしていたため、モバイルビューでのタグ発火状況が見づらかったり、クリックイベントのデバッグでChrome Dev Toolsを使いながらタグのデータや状況を見るのが辛くて、無理やりEscボタンでロードを強制的に止めてみたりと試行錯誤していましたが、これでペインポイントは大幅に解消されました。Dev Toolsもポップアウトして使えばいいだけの話かもしれませんが。。

またChromeのtag assistant拡張と同様にロードするページごとに左側のメニューが表示されるので、今までのようにページ遷移したら過去のイベントが全てクリアされて今表示されている画面のイベント状況しか把握できないということもありません。

※さすがにリンクをクリックした先のページが自社管理外またはGTM計測対象外サイトの場合は一旦connectionが切れますが、ブラウザの戻るボタンで戻ると自動的に再接続されます。

Previewであったタブも画面上部にちゃんと設置されています。


そして実際に表示しているウェブサイトでホバー表示されている「Debugger Connected」を閉じるだけで接続が解除されます。

地味に今までのPreviewだと、ちゃんとDisconnectリンクを押さずにタブを閉じてしまって、Debuggerが常に存在するみたいな扱いづらい状況を作りやすかったのですが、これもかなり嬉しい。

上部のプルダウンメニューでアドワーズタグやGA4タグなども選べるようです。

2020年9月のGoogle AnalyticsとSearch Consoleドキュメント系アップデート

更新されたドキュメントの中でも、ちょっと個人的に気になったものです。

■Google Analytics help

  • (少し気になる)analytics.jsがユニバーサルアナリティクス、gtag.jsがグローバルサイトタグという名称だと思っていたのですが、時々「ユニバーサルアナリティクス(gtag.js)」という表記が散見されますね。gtagまたはga4f、tag managerの3択化が進む感じでしょうか。
  • 同意モード追加
  • 着々とapp + webへ移行

■ Google Search Console help

  • Duplex on the web
    • 1年ほど前にアメリカだけで提供開始されたDuplexに日本語ヘルプが登場しました。ただ、まだ現状でも米国・英国のみのサービスということに変更はなさそうです。AIによる音声での自動予約機能を提供できるというものですが、今は映画館のチケット予約のみのようですね。映画館のウェブサイトを運営されている方には、もしかすると朗報なのかもしれません。自動音声や自動応答でチケット予約が出来るようになるとかそんな感じだと思います。日本でのサービス提供は近いのかもしれません。
  • メッセージの有効期限追加
    • 古いメッセージの扱いが変わりました。以前は「メッセージ パネルには、2019 年 5 月 23 日以降のメッセージのみが表示されます」となっていましたが「 1 年間のみ保持されます」と変更
    • メッセージの種別の説明と通知の部分も書き方が変更されていますが、特に大した話題ではないので割愛
  • スパム系も具体的に
    • これも大した内容ではありませんが、リッチスニペットスパムやフィッシングという項目が増えただけでなく手法に対する具体的な言及などが一部追加
  • Google Read Aloudのモバイルエージェント追加
    • テキスト読み上げのTTSに関しデスクトップのエージェントと別にモバイルエージェントが追加されました。TTSまわり構造化データもベータのままですし、日本ではまだサービス展開としては無いと理解していますが、Duplexの件も含め展開は近いのかもしれませんね。