【読了】海賊と呼ばれた男(上下巻) - モデル出光佐三の信念とその生き様

既に話題になりすぎているので内容の詳細はそちらに譲るとして、人間尊重の思想と自分や会社の利益追求ではなく、人のために行動すること。その信念を深く理解できる本でした。

本書の国岡鐵造は出光佐三がモデルということで、時代背景と出光という会社がどのように行動を起こし、今の日本を作り上げていったかが分かります。


企業や人として、これほどの信念を感じる人がいるだろうかと考えながら読んでいましたが、2013年なら自殺をしてしまいましたがアーロン・スワーツその人かなと思うと同時に、なかなか想起できない自分がいました。

様々な業界に異を唱え行動を起こし続けるソフトバンクの孫正義社長や、薬のネット販売に対向する楽天の三木谷浩史社長、ケンコーコムの後藤玄利社長ももしかしたら今日、業界・利権団体に抗議し、時代を切り開いている代表なのかもしれません。それでもやはり国岡鐵造のような自社利益よりも人のために行動するという信念までは伝わってこないような気もしています。いつも商売人的な視点が見え隠れしているような気がしてなりません。

そして、これだけインターネットによって情報があふれていても利権を暴いたり、否定したりする事は凄く難しいような気も同時にしていて、ウィキリークス等で裏側の情報が暴露されたり、時間がたって明かされたりすることはあっても大手メディアの報道なのかもしれませんが、リアルタイムにその団体の存在や実態が見えてきません。

さらに企業単位となるとなおさら思想は見えてきません。
Facebookのような以前GoogleのURLは全部エラーみたいな露骨な企業は言うまでもありませんが、人の生活を大きく変えたiPodやその後のiPhoneを開発したAppleもそうなのかもしれません。Googleはサービスによるのかなぁと思ったりしますが、日本の企業はあまり浮かんできません。

そういう意味では読んで感動するだけでなく、考えさせられる本だなと感じました。
一読の価値有りです。

海賊とよばれた男 上
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百田 尚樹
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海賊とよばれた男 下
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【読了】星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則

数年前の本ですが「星野リゾートの教科書」を読みました。

最近よく感じることは、業種やら分野が異なっていても考え方や目指している目標などは同じだなということです。私自身が現在マーケティング職であるからかもしれませんが、経営的視点というのは非常に重要・・・というか、それがないと全く成り立ちません。逆に先日、ある大企業に勤めるデザイナーさんから経営視点を強要されると困るという話を伺いましたが、それは全く違うと酒の席でしたが反論したりもしました。

とはいえ、その強要されていた経営視点とは一体どのような内容や考え方だったのかを伺ったわけではありませんが(苦笑

今回、本書2ページ目に
「教科書通り」でうまくいかないとしたら、それは理解が不十分で、取り組みが徹底されていないからに違いない
と述べられている通り、過去事例から学術的にまとめられた経営に関する名著を何度も読み返す星野社長の姿勢がよくわかる書となっています。
もちろん、一読して"何度も聞いているなぁ"と思う事も少なくありませんが、実践できているのか、取り組みが徹底されているのか、と言われると全く出来ていない・・・と思ってしまうのも確かです。

今回本書を読んでいる最中、ウェブサービスの立ち上げやUIデザイン、サービスデザインに対する考え方に触れる機会が多いということで、以下の3点に凄く興味を引かれました。

  1. 「真実の瞬間」
  2. 「予約しやすさ」で他社と差別化する
  3. 「社員が持つパワーを引き出して業績回復」
1.の「真実の瞬間」に関しては、人が実際のお店で接客する時間は数十秒で、その瞬間の印象、評価で会社全体のイメージが左右されるという意味で、とても重要な概念だと言われているものですが、ウェブサイトにおける「真実の瞬間」とは一体どこなのだろうか、という点で考えさせられました。

ウェブサイトにおける接客は、ウェブサイトの構造そのものなのか?と言われると、そうかもしれないとは思いますが、もう少し細かく見てみると直接的には"サイト内検索"がそれに当たるのかなと思いました。


最初は"ナビゲーション"も「真実の瞬間」ではないのか?と思ったのですが、直感的に分かるナビゲーションというのは、お店の中で使われるトイレなどを示すシンボルなどが該当するわけで、直接的な「接客」とは意味合いが異なると判断しました。

今ではチャットサポートなどでウェブサイトにおける接客というものも多様化しているのかもしれませんが、やはり旧来のもので言えば"サイト内検索"が該当するのかもしれません。

2.に関して言えば、星野リゾートではリアル店舗も絡めた話が書かれていますが、やはりウェブサイト、またはITという大枠の世界の話でEFOという言葉もある通り、重要であることは間違いありません。

3.は社員に「任せる」ことで、社員一人ひとりが自分で考えて動くというものですが、やはり会社の部署という縦割りによって自分事ではなく他人事になりがちで、コンサルティングの会社も発注元の企業の担当者や上司なども呼んで、一緒に取り組んでいくという事例が増えていますが、やはり日本ではまだまだそのような事例は少ないと言えると思います。

こういった内容は、"俗な"と言ってしまうと失礼ですが、啓発本だったり、それぞれの分野で個別に語られているものではあります。しかしながら、ブランドイメージや他社との差別化という経営視点で、もともとは体系化されていたり古くから語られている内容でもあり、WEBが出てきたことにより、その改善に従事する人が増えています。

そういう意味では今まで体系化されていた経営視点がさらに部署ごとに分けられ、一つ一つの項目について、HowそしてWhatの視点で細かくアプローチされているだけなのかもしれません。

WEBの業界でも情報の見せ方やナビゲーションなどが重要であると耳タコに言われ続けいますが、結局のところ「ユーザー本位のサービスを作るとはどういうことなのか」さらに上位化すれば、「人が幸せになるとはどういうことなのか」という事なんですよね。

言い過ぎなのかもしれませんが。

(読書時間 : 2時間)

星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則
中沢 康彦
日経BP出版センター
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【ツール】FunnelPlusでイベントとページビューを組み合わせたファネル分析を

Google Analyticsのデータを連携して、本家よりも使い勝手やレポーティング、アラート機能などを搭載したツールは数多くありますが、今回ご紹介するFunnelPlusはその名の通り、サイト内の「ファネル」分析に特化したツールです。

Google Analyticsでは実現できないファネル・・・それは、イベントとPageviewを組み合わせたファネル分析です。



無料ツールでファネルに特化しているということもあり、画面が説明不要なほどシンプル。
FunnelPlusは良いツールだと思いますよ。

【ツール】Chrome拡張「WASP」(Web Analytics Solution Profiler)で自社・他社の解析状況を見る

海外のCardinal Pathという会社が新しくChrome拡張の「WASP」を18日リリースしました。

このツールは解析データの検証やデバッグを必要としているマネージャー、マーケター、開発者向けとされていて、ツールを通してサイト内のtagが全て自動的に検知されます。

あるサイトへアクセスした時の「WASP」画面がこれです。



見ての通り、ビジュアルですぐに分かるだけでなく、右側にキレイにデータが整形された状態で見えるので、とてもわかり易い。
特にGoogle Tag Managerなど、今までjsファイルの中身を整形ツールを使ってキレイにしないと見れなかったようなものも、実際にリクエストされているデータなどが見えて、作業がより手短に終わります。

オプションで役割を設定出来るようにもなっていますが、どうやらその役割によってビューが変わります。大きく変わるわけではありませんが。

リダイレクトの関係性も矢印で表示されたりと、見やすさにこだわっているのが分かります。

各タグで右クリックすることで、そのタグをブロックしたり表示を消したりもできます。


Googleの中の人もオススメしていますので、ぜひ使ってみてください。

他の人に共有されているGoogle Analyticsから自分のアカウントを削除できるようになりました

Google Analyticsはビューレベルやプロパティレベルで他のユーザーと閲覧や管理権限を共有できます。

海外では数年前から問題視されていたのですが、他の人からGoogle Analyticsの共有をされていた場合、その契約関係が切れていたり、一方的に共有されたアカウントがあった場合でも、いっこうにその共有が解除されないといったことがあるようです。

僕の場合、ちょっと違う事情で他の方のAnalyticsアカウントが共有されているものがあります。
既に使われていなくて計測は停止しているのですが。

アカウントを削除する画面は「Admin」のアカウントレベルの設定にある「User Management」からボタンを押すだけ!



もし一方的に共有されているアカウントなどがありましたら、アカウント削除を実行してください。

Google Analyticsのトータルユニークイベント数は対象期間におけるイベントの発生したユニークセッション数

Google Analyticsのユニークイベント数に関しては、色々と疑問をもたれることがあります。


その一つにたとえば、上の例ですが、2つのユニークイベントを足しあわせても合計の「46,873」にならないじゃないか。。。というのがよくある質問。

この部分に対するGoogle側の回答がこちら。(Google+から。)

「Unique Events refers to the number of visits that contained an Event. It's a little confusing: it's not the number of actual events of each type that occurred, but the number of visits to your website where the Event in question is triggered.

What it looks like is there were ●●●● visits to your site with an Event of one kind or another; but lots of those visits had multiple Events. That's why the numbers don't add up.」

※●●●●は僕が具体的な数字を伏せましたが特に意味はありません。

つまり、一番上に表示されている数字は下の合計値ではなく、何かしらのイベント(trackEvent)が発生したユニークなセッション数だということです。

なるほど!という感じですが数字を慎重に扱わなければなりませんね。

Google Analyticsのサイト速度・ページ速度のサンプリングレートを10%以上にあげることも可能

Google AnalyticsにはHTML5のNavigation Timing APIを利用して、ユーザー環境における実際のページ表示速度、サイト全体における表示速度を計測する機能があります。


以前はユーザーのサンプリングレートが10%だったと記憶しているのですが、現在はデフォルトのサンプリングレートが1%に変更されています。

この辺りは情報を追いかけられていなかった自分の失態ですね。
Google 側のヘルプを見ると

setSiteSpeedSampleRate()

の利用を推奨しておりますが、

【非同期版】(サンプリングレートが5%の場合)
_gaq.push(['_setSiteSpeedSampleRate', 5]); 
※trackpageviewの前に書く

【Universal Analytics版】
ga('create', 'UA-XXXX-Y', {'siteSpeedSampleRate': 5}); 

Google Tag Managerの場合は単純に「5」という数字を入れるだけのボックスがありますので、そこでリリースが可能です。

で、このサンプリングレートですが、値のレンジを調べてみるとGoogleの資料には0~100まで指定することが出来ると書かれてありました。

今まではNavigation Timing APIに対応していないSafariなどもありますので、大規模サイトではそれなりにサンプリングデータが取れたとしても、小~中規模サイトではサンプリング数が少なくデータによる上下の振れ幅が大きかったのですが、このサンプリングレートを上げることで中規模サイトぐらいでも安定して数値を取得することができますね。

今は個人的にテスト中なのですが100%のサンプリングでデータをとっています。

Analytics側からサンプル数のカラムが無くなってしまったようなのですが、数値の安定性という面で検証していこうかと思います。


【非同期版】(サンプリングレートが100%の場合)
_gaq.push(['_setSiteSpeedSampleRate', 100]); 
※trackpageviewの前に書く

【Universal Analytics版】
ga('create', 'UA-XXXX-Y', {'siteSpeedSampleRate': 100});