autotrackのプラグインで遊ぶ

Google Analytics開発チームが作っているautotrack.jsで面白そうな拡張が出ているなと思いつつ…今月バージョンが1.0を向かえましたので、少しだけ遊んでみようかと思います。

autotrack.js はGAの新しいツールというわけではないのですが、元々GAの設定をカスタマイズするのは面倒だ…という場合にプラグインを使って簡単にキレイなデータ取得をしてしまおうと始まったと記憶しています。しかし今月バージョンが1.0に上がるタイミングで新しいプラグインが追加されたことによって、特にChromeを中心に新しく実装されたWeb APIを使った解析を体験出来るようになりました。

例えば…

これは「Intersection Observer API」を利用したもので、例えばページを開いたタイミングでは見えない特定のバナーや特定の領域がスクロール操作によって表示されたら、そのタイミングでイベントを飛ばすというもの。

テストではページの下の方にボタンを設置しておき、スクロール操作によってボタンが表示されたタイミングでイベントが飛びました。


Chromeをはじめタブブラウザを利用しているとウェブサイトを開いたままでもタブは非アクティブな場合がよくありますよね。
この非アクティブ <-> アクティブの変化時にイベントを飛ばすというもの。


この辺、凄く面白いですよね。
タブが非アクティブになったタイミングでセッションを一回切っても良いなと最近感じていました。

autotrack.js が登場した当時からあったプラグインではありますが、URLをキレイにしてGAにデータを飛ばすというもの。
今回はURLにパラメータが付いていたら全て消してページビューとして集計するという設定。


URLのパラメータによって、同一ページなのにURLが大量に発生してしまい解析が面倒臭くなる…そんな事が無くなりますね。

GTMが出てきた時から設定する人が多かった、自社サイトから他社サイトへのアウトバウンドリンクを踏んで出ていくイベントを取得するプラグインですね。

特定のページからどれだけ外に出ていってしまうのか等、アウトバウンドリンクを計測するサイトも最近は多いのかなという印象。



クリックイベントも毎回onClickやら設定するのは面倒だという場合にはこのプラグインを使えばイベントもサクッと取得出来ます。(ソーシャルインタラクションなどイベント以外も利用可)

イベントカテゴリ「Video」に対するクリックイベントアクション「play」も。



他にもmedia queriesを利用してレスポンシブ・ウェブデザインを実装されているサイトでは「mediaQueryTracker」が、より解析の役に立ちますし、1ページ内でpushStateなどを利用してURLが変わる場合は「urlChangeTracker」が利用できるでしょう。

今回は全てデフォルト値で試しました。

セグメント機能で1条件と2条件に分ける基準は何でしょう…

何度か書いているような気はしますが、セグメント機能はGoogle Analyticsだけではなく「分析」の側面でとても重要だということは言うまでもありませんが、同時に鬼門といっても過言ではないほど難しいポイントではないかとずっと感じております。

衣袋さんのメルマガをチラ見して、セグメント機能に関する電子本を出されるということで大いに期待しております(笑

セグメント機能に対して凄く単純な話、この2つの違いは分かるでしょうか?



未だにちゃんとテストはしていないのですが、かなり大規模なサイトの場合この2つのセグメント結果は微妙に異なります。
超大規模サイトの場合は値が変わることなんて様々な要因で日常茶飯事ではありますが。

で、現状は一応以下のように解釈しております。

  • 2つは対象母集団の絞り方の違いでしか無い
  • 2つ目のパターンの場合は、まずChromeユーザを絞ってからその中から更に市区町村でセグメントがかかる動きをする。
即ち基数制限まわりの問題なのではないかと。

他にもシーケンスにするか単純条件とするか。結果はほぼイコールになったりする場合がありますし、毎日のようにセグメントを書いていてもちゃんと理解できていないなと思う事が多すぎて、非常に残念に感じてしまいます…

API側の場合は更にカオスになります。GUI側がちゃんと理解できていなければ間違えることは言うまでもありませんが、複数シーケンスで且つその中に条件が入り込む例などをGoogleヘルプでは見ることができますし、"その指定は必要?"という疑問も湧いてくるレベル。


閑話休題

様々な施策で事前に仮説立てをすると思いますが、それ以外にも調査をすることもあると思います。最近はメンバーに「とにかく思いつく疑問・質問を出せ」と言っています。
だいたい普通に思いつく疑問はサイトへの仕込み方やGAへのデータの食わせ方にも寄りますが、GA一つで数値は出せるかなと思っています。普段からGAを使いこなしている方の場合は、それ以外に出すことが難しいもの、出した後にデータをこねくり回さなくてはならず非常に面倒なものにぶち当たるかもしれません。

例えば最近あった個人的な課題としては
  • ある特定セッション期間中に特定ページを●回以上見ている~
みたいな問題です。
2回とか3回ならデータを出せなくはないなーとか、データの取得方法を変更すれば取れるけど過去のデータはキツイなーとか、素直に別のツールをーとか。色々感じる単純問題。

まぁただ、「思いつく疑問・質問」として出てきたもので出せないものが出てきたことはないので、個人的な調査でぶち当たる壁くらいしかないのかなと思ったりします。