そもそもSUSはJohn Brookeが1986年に開発したもので、当時あった文字ベースのPCの評価に使われていたようですが、その後携帯電話やハードウェア、IVRなどの評価軸としても活躍してきたというものです。
海外で行われた評価ではオリジナルのSUSがそのまま利用されたようですが、日本語バージョンは直訳的なものしか見つけられず、モノが対象になっているような印象だったので、少し文言を付け加えてウェブサイト評価的にしてみました。
SUSをウェブ用に編訳版
- このウェブサイトをしばしば利用したいと思う
- このウェブサイトを利用するには説明が必要となるほど複雑であると感じた
- このウェブサイトは容易に使いこなす事ができると思った
- このウェブサイトを利用するのに専門家のサポートが必要だと感じる
- このウェブサイトにあるコンテンツやナビゲーションは十分に統一感があると感じた
- このウェブサイトでは一貫性のないところが多々あったと感じた
- たいていの人は、このウェブサイトの利用方法をすぐに理解すると思う
- このウェブサイトはとても操作しづらいと感じた
- このウェブサイトを利用できる自信がある
- このウェブサイトを利用し始める前に知っておくべきことが多くあると思う
奇数項目 : 回答番号から1を引く
偶数項目 : 5から回答番号を引く
すべての項目は0から4で評価し、足しあわせた合計数値を2.5倍して0から100のスケールへ変換する。
※質問を見ての通り、奇数項目がポジティブな質問、偶数項目がネガティブな質問となっているため。
※質問を見ての通り、奇数項目がポジティブな質問、偶数項目がネガティブな質問となっているため。
オリジナルの質問項目
- I think that I would like to use this system frequently.
- I found the system unnecessarily complex.
- I thought the system was easy to use.
- I think that I would need the support of a technical person to be able to use this system.
- I found the various functions in this system were well integrated.
- I thought there was too much inconsistency in this system.
- I would imagine that most people would learn to use this system very quickly.
- I found the system very cumbersome to use.
- I felt very confident using the system.
- I needed to learn a lot of things before I could get going with this system.
海外記事によれば、#4と#10はそのウェブサイトに対する理解度、その他の項目はユーザビリティを評価していると理解でき、またウェブサイトの新規ユーザーとリピーターを比較した場合、スコアに11%の乖離が見られたということです。
記事で少し残念だったのはウェブサイトの新規とリピーターの乖離の部分でユーザビリティ面とウェブサイトに対する理解度に分けてどのくらい差が出たかが示されていなかった事くらいです。
恐らく理解度が上がりユーザビリティ側の評価値は改善されていないのではないかと感じます。
今後の課題
言うまでもなくウェブサイト評価用に勝手に訳したSUS自体の妥当性評価が必要です。
SUSは非常に簡易な評価なので得点が高いからといって改善する必要がないというものではありませんので、新規にサービスやサイトを立ち上げる際のモック評価などに利用し、少数の人でさっと評価してみるという使い方も良いかも知れません。
海外でコマース系スマートフォンアプリのユーザビリティ計測に関して、下記の項目ごとに評価をしている事例がありましたが、やはり最終的な評価・改善はそのサイトの特徴に合わせて項目ごとに行われるものなので、改善・リリース後の大規模な質問紙評価的な利用でもよさそうですね。
- ホームページレイアウト
- 検索・検索結果ページ
- ナビゲーション
- 商品の探しやすさ
- 商品説明・商品画像
- カートへの入れるプロセス
- 配送方法の選択
- 決済
- 問い合わせ窓口
- 店舗の場所検索
- 返品情報
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