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GA4本「1週間でGoogleアナリティクス4の基礎が学べる本」読書メモ

GA4に関する入門書「1週間でGoogleアナリティクス4の基礎が学べる本」がウェブ解析士協会メンバーを中心に執筆されたということで、早速電子書籍版を購入して読んでみました。

本書はGAを多少なりとも触ったことがある人がGA4という新しいGoogle Analyticsを勉強するための入門書という位置づけとなっています。ただ用語の解説も本書内に存在するので、その場合は設置マニュアルあたりから読み進めるのが良いかもしれません(UAの説明や歴史は別に知っておく必要もありません)。GA内の用語を大まかに理解している人には、とても良い本となるでしょう。

目次構成
  1. GA4の学び方を学ぶ
  2. GA4移行 & 新規設置マニュアル
  3. GA4のダッシュボード解説1
  4. GA4のダッシュボード解説2
  5. データ探索の基礎
  6. データ探索の応用
  7. 追加データ取得と確認方法

 1の「GA4の学び方を学ぶ」では、そもそものGA4の考え方やUAとの違い、導入に至るまでの社内調整などの大枠が書かれています。クロスドメイントラッキングはUA併用時の注意点もりますが、その点は設置マニュアル側で補足されています。データ保持期間はbigqueryと連携していた場合、僕の昔の記憶ではdatasetに期限設定がつかなかったはずなので連携している場合はデータ保持期間は要注意かなと思います。データ保管料金にも関係があるのでbigqueryに連携する場合はエンジニア含めて設定は確認したほうが良いかもしれません。

あとは書き方的なものかもしれませんが、アプリが無く新規ウェブサイトへ導入する際も今なら特に何も考えずGA4のウェブデータストリーム設定が推奨で従来のGAも利用したいということであればUAも一緒にプロパティを作成するという方向性で考えた方が良いような気がします。デフォルトがそうなっていますし。

2の「GA4移行 & 新規設置マニュアル」では新規にGA4設定またはUA導入サイトでのGA4導入手順の説明となります。アプリに関しては1ページ程度しか説明がなくデバッグ説明などもないので他本またはヘルプで確認する必要があります。推奨イベントに関しては業種ごとの推奨は無くなり、獲得に関するイベントやコンバージョンに関するイベントなどのカテゴライズに一元化されたのでヘルプで確認しながら導入しましょう。(ページによってはまだ古い情報が少しだけ残っています)

3、4はざっとキャプチャと説明なので割愛。

5の「データ探索の基礎」では探索ページで出来ることだけでなく、こんな分析をしたいならこのテンプレート、のようなわかりやすさが良いですね。

6の「データ探索の応用」は短いながらもGA4におけるアドホックな分析に可能性を見いだせるような内容になっていて、自分でもやれてなかったものがあるなという気づきが得られました。

7の「追加データ取得と確認方法」は、もっと活用したい、細かい設定を行いたいというようなアドバンスドな内容が書かれています。Bigqueryエクスポートのスキーマ情報は全く一緒だけどGoogle Analytics側のヘルプにもあるので、そちらのほうが良いような気がします。知っていても読んでいて、「ここでなんでFirebaseヘルプ見ろとなるんだっけ?」と一瞬ハテナが浮かびました。

いきなりコホートのSQLをドーンと載せるところはちょっと笑いました。初心者向け本のアドバンスでこれは反省してほしい(笑)。ちなみにパッと見た瞬間、ネットでGA4が出る前のFirebase Analytics時代にエンジニアさんがネットで書いていたSQLそのままだなーと思って、自分も使っていたので既視感が強いクエリですね。

SQLでのデータ取得方法はヘルプにcookbookがあるので、それを見るのがまずはオススメです。

7日目は細かい用語含め、分からないと思う人が多そうな雰囲気があり読者を置いてけぼりとなりそうです...

本書を通じて自分がまだ活用しきれていないなぁと思う箇所があったことと、「こういう目的で利用しよう」と思っていたものが、そもそもちょっとズレているかも...と思う点もあり良い気づきとなりました。

(補足)

【読了】100万人から教わったウェブサービスの極意――「モバツイ」開発1268日の知恵と視点

 100万人から教わったウェブサービスの極意 ~「モバツイ」開発1268日の知恵と視点


スマートフォンを購入前の数ヶ月間、「モバツイ」にお世話になっていた時期があります。もしかしたらスマートフォン購入後も利用期間があるかもしれませんが、ホントTwitterの歴史とともに歩んできたと言っても過言ではないサービスです。

本書でもほぼTwitterの歴史が語られているという感じで、凄く懐かしい話ばかりでした。
最後に新サービスを1人で1から立ち上げた立場として、諦めずに続けたサービスであるからこその成功であることを踏まえ、「常に自分の欲望に正直で、ワガママであるべき」だと述べています。
評論家にならず実行・実現有りきで100%専念することが「モバツイ」の成功に繋がっているのですね。

【読了】20%ドクトリン サイドプロジェクトで革新的ビジネスを生みだす法




20%ドクトリン サイドプロジェクトで革新的ビジネスを生みだす法」を読みました。
今は「ハッカソン」という言葉をシステム関係者なら誰もが耳にしたことがあると思いますが、米Yahooで始まった「Hack Day」が一般に公開され、全世界的に広げていったその企画がどのように生まれたのか。そしてGoogleのGmailやGmail内のAdsense広告がどのように生まれたのか。その他本書内で紹介されている事例が20%ルール、即ちGoogleがかつて公言していた業務時間の20%を自由な自分のやりたいプロジェクトに時間を割くという、そのルールによって生まれてきた。

どの事例にしても、それぞれ開発者が自分にとって必要だと判断し、素早く形にしながら、その形によって皆を納得させていく。そして往々にして形にする過程においては資金や人などの資源で制約が付くものです。

本書で紹介されている事例は全てがその制約を味方につけ、サービスの発展につなげている。

20%ルールによって作られたサービスがGoogleのように会社の主力商品となることもあれば、Flickrのように主力としていたゲーム事業を捨て去り、写真共有サービスの会社となる、完全に事業を乗っ取る例もありますが、そこにはアジャイルの「イテレーション」とリーンの「ピボット」の概念がとても重要になってくるわけです。

本書におけるFlickrの「ピボット」は説明不足なのか、リーンの考え方に照らし合わせると、ちょっと企業目線で強引な掛けのような「ピボット」なので、Flickrの例は偶然の産物なのかもしれません。

あと、本書でGmailの事例の部分で未だにJavascriptをJavaと言い続けている部分があって、その点ではとても残念でした。訳者が悪いのか著者が悪いのか。。。

まぁ本書の内容とはあまり関係がないのですが、ちょっと気になってしまいまして・・・

ともかく、事例とそのまとめとしての本書はとても意味のあるものだと思います。


<追記>
Gmail内広告の導入に関して、Adsenseのディスプレイ広告技術がそのまま応用されたということでした。それはメール内の文章を解析して最適な広告を表示するというもの。
その技術は逆に今のコンテンツ重視のSEOに繋がってきていて、そのコンテンツ内の解析とタイトルタグとか、その他要因との相関性を見ながら、且つキーワードが羅列されるような状況であることを検知しながらコンテンツとしての価値算出に結びついているのでしょうね。

【読了】分析力を武器とする企業




分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学」を読みました。「統計学が最強の学問である」よりも、よりビジネス寄りの視点で書かれています。

本書の中で繰り返し述べられておりますが、「分析は行動に結びついて初めて意味をもつ」事は大変重要な事ですが、分析力を企業の武器と考えるCEOは増えており、今後も増えていくことは間違いないでしょう。

それは調査や報告から予測モデリングへと繋がる事で競争優位性を高めることが出来る事がDELLをはじめ、過去の事例から学びはじめているからでしょう。



分析力を武器とするまでに企業は以下の5ステージ存在すると筆者は述べます。


現在武器としている企業の数は非常に少ないわけですが、各ステージにおける企業の特徴と、ステージを上がる実例も掲載されています。特にステージ1やステージ2の企業に関しては、分析を重んじる力を持った人が入社することによる大きな変革というパターンと各部門という小さな単位での成功体験から初めて変革を行っていくという2パターンが存在します。

5にあたる分析力を武器としている企業については以下4つの特徴がみられる

1.「わが社はこれで行く」という戦略上の強みが分析力をベースにしたものである
2.データの管理・分析が前者で統合的・統一的に行われている
3.経営幹部がデータを重んじ分析力の活用に熱心である
4.分析力を競争優位にする戦略に社運を賭けている

この段階へどのようなツールを用いて、どのような視点をもつべきなのか。それが各企業の事例からヒントを得ることが可能でしょう。
もちろん、企業のイシューとなる企業業績に直結するような指標に関しては明確なはずではあるのですが。。。

Googleの場合は検索結果の関連性・適格性について独自指標を創りだしており、検索結果に満足できず改めて別の検索語が入力された回数、検索結果のページからリンク先へジャンプした回数、検索結果から更に絞込を行った回数、検索にかかった時間などの時間を自動収集しているという事が書かれていますが、これは大体Google Analyticsでも見える項目になっており、一般企業が同様の分析指標をもつことは可能でしょう。

一方で本書には書かれていませんが、分析を企業の成長につなげる事だけでなく、ライフログが流行る現在では、そのデータを頂いて、ユーザーへ分析結果を即時フィードバックしていくことで新たなサービスを生むことも出来るわけです。

分析が必要とされる場面は従来とは比べ物にならない程増えてきていますが、最後にバンク・オブ・アメリカのバーバラ・デソーの入門企業向けの言葉を紹介します。

「まずは自己評価から始めること。自社の目標あるいは顧客の要望と現状とはどの程度開きがあるのか、把握することから全ては始まる。欠けていることがあるとわかったら、どうすればいいのか考える。それをしないでデータ・ウェアハウスやら分析ツールやらに手を出しても、何の意味もない」


(個人的メモ)
145、166、185、260

【読了】イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」




昨年流行った「イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」」を今頃読みました。

業務に追われていると本来最も時間をかけなければならない「イシュー」を見極める時間を削ってしまいがちです。本当に解決すべき課題のイシューを時間をかけて抽出すること、そして複数出てきたイシューの優先順位を付けるという作業がとても大事であることは言うまでもありません。

そしてそれぞれのイシューから仮説を導き、ストーリーを描く。結果的にアウトプットし、そのアウトプットによって企業としての優先順位と実行フェーズへと入る。

とても当たり前のような話ですが、場数を踏みながら感覚を養う必要がある類のもので、本書ではそのコツや抽出を行うためのモノの見方などが紹介されています。

一読の価値有りです。

【読了】統計学が最強の学問である




遅ればせながら「統計学が最強の学問である」を読みました。

もともと心理学統計法の方を大学でやっていましたので懐かしく思いました。たしかに心理学で統計というと質問紙のイメージが強いかもしれませんが、個人的には生理心理、実験心理の方がメインだったので、実は生物学的な統計手法の方が馴染み深いです。

どうでもいいですが、質問紙の場合は本書内にある通り、プレテストを繰り返しながら質問を絞るだけではなくて、似たような質問を複数入れる事によって、回答者の信頼度を見たりもします。

統計というものを全くかじっていない人が本書を読んで、どのくらい理解できるのかは結構微妙な気がしましたが、ウェブ業界において統計学、または統計学的な考え方が重要であることに変わりはありません。

本書内で紹介されているABテストしかり、レコメンドエンジンしかり。

「平均」という言葉に騙されてしまったり、とりあえず平均値を出そうとして、Excelでaverageなんて打ちだす事も結構ありますよね。

統計を少しでもかじっていなければ、極端な値を省いて云々なんて考えに至らないでしょう。

あとはバラつきの概念などもそう。

今年火が付いているDMPの世界も、レコメンドと似たような概念かもしれませんが、個人的には注目しています。それは単なる広告表示としてのDMPという概念ではなくて、その技術を用いたウェブサイト内でのセグメンテーション技術への応用の可能性です。

もちろんセグメンテーション技術は今でも様々な会社がASP等で提供をしておりますが、サイトごとに適したセグメンテーションとなると、やはりカスタマイズ性が求められるわけで、広告業界のような大きなお金が動くマーケットでの知見というのは結構技術的な発展を促すのではないかと期待していたりします。

私自信、今現在は統計をあまり利用していない、もしくは誤差や有意性を考慮せずに利用してしまっている部分があるため、なかなか心苦しいところではあります。

一部の学者の場合、統計的な有意差を表す数値が裁判に利用されて、人を殺しかねないかもしれません。一般企業に務めている人間で研究職以外で、そのような状況に陥ることは無いとは思いますが、その統計的な数値が経営手法や経営判断を誤らせることにも繋がりかねません。

そのことを肝に銘じて、正しい知識で数字を扱わなければならないと再度認識しました。

【読了】ECサイト「4モデル式」戦略マーケティング [新版]Google Analytics経営戦略




 「ECサイト「4モデル式」戦略マーケティング [新版]Google Analytics経営戦略 (WEB PROFESSIONAL)
」を遅ればせながら読みました。

率直な感想としては非常にマーケティング理論に忠実だなと思いました。Google Analyticsの設定方法も巻末で紹介されてはいるのですが、それ以上にビジネス、サービスデザインとしての重要さを説き、Google Analyticsはあくまでそのビジネスを補強する手段として利用すべしという思想が強く現れています。

もちろんツールである以上、Google AnalyticsやSEMのスペシャリスト的な考え方ではなく、そのビジネスを行う上で経営者が最も重要視している、または未来のビジョンに対しそれを裏切らせない、そのビジョンがトンチンカンな方向へ進まないように見張る、そして最短でそのビジョンを実現するためのGoogle AnalyticsやSEM戦略。

そういう見方を学びました。

当たり前といえば当たり前なのですが、本書を読んで改めて実感させられた、そんな良書でした。

【読了】なぜ通販で買うのですか




なぜ通販で買うのですか (集英社新書)」を読ませていただきました。

通販の歴史を紐解いてみると日本は米国とは全く異なるニーズによって通販の歴史が始まっていることがわかる。近場の店では手に入らない商品を手に入れるというニーズです。

それは米国と違い、少し離れている程度で直ぐに店を見つけることが出来、そこで最低限の商品を手に入れることが出来るという日本の環境にあります。

「通販生活」自体はCMくらいでしか知らないのですが、本書を読んでいくと、だいぶ小売業なのに思想が強い事がわかります。それがいいのか悪いのかはわかりませんが、小売ジャーナリズムとして一定の地位を築いているとおもいます。

インターネットという世界において「通販生活」はある程度地位を確立しているのでしょうか?

サイトを初めて見ましたが、今もなおコンテンツで販売し、昔と売れ筋は変わらなそうだという印象です。

本書を読むとカタログによって、商品が陳列されているだけの販売店とは異なり、よりストーリー性をもって商品を販売することが出来るという点が強調されています。所謂実演販売ですが、その部分を読んで強く思ったのは、なぜ米国のザッポスやIKEAのような動画広告やARをフル活用した小売が日本から出て来なかったのだろうかということです。

たしかに写真でストーリー性を表すこともできますが、動画のほうがより強く小売り側の思想というか、雰囲気を表せるはずです。動画マーケティングという意味で、米国のオールドスパイスの例も同様です。

どうしてより消費者目線の売り方は米国発になってしまっているのでしょう?

それは費用的な問題なのか、斎藤さんの思想が後世に伝わっていないのか、インターネット事業を行なっている社長は若い人が多いからなのか。。。

そこはわかりません。

でも、だからこそEコマースにはまだまだ可能性を見いだせることも確かでしょう。

あとは現在のコマースサイトに掲載されている写真が、ただの商品単体の写真である限り、店頭販売店とは全く変わらないということも確かでしょう。本書の実演販売という内容で商品を販売するのなら、その商品が利用されているシチュエーションでの撮影やモデルを使った撮影など、実際に利用した後の事をちゃんと想起させる見せ方こそが重要になります。


【読了】コネクト






コネクト ―企業と顧客が相互接続された未来の働き方」を読みました。

様々なソーシャルメディアがユーザーを獲得し、1ユーザーのプラスやマイナス発言がシェアされ、その感情が伝播するという「カスケード効果」が見られるようになって来ました。
そしてその効果は会社を傾かせたり、倒産させる自体にもなりえるほど力を持つ事があります。

顧客満足という言葉を企業側が仕切りに企業ポリシーとして声高に叫んだところで、ソーシャルメディア上の評価が揺らぐことはないでしょうが、現在のこのユーザー間、ユーザー企業間でコネクトしている社会では従来のようなトップダウン的な縦割り式、階層構造を持った企業組織体型ではなく、本書のコネクト型企業へと変化する必要があると述べられています。

コネクト型企業とは機械的に振る舞うのではなく常に学習する有機体のような企業体であり、そのためより顧客に近い部分への権限移譲と、「しなければならない」から「してはいけない」という緩い方針により自律的に動けるようにすることが重要となります。

AmazonやGoogle、Appleなど様々な例がありますが、所謂ポッドと呼ばれる小グループ体を設け、その組織体ごとに自律的に動いていく組織です。Amazonではtwo pizza teamと呼ばれるピザ2枚で足りるチーム編成がされており、その1組織によって様々な小さな実験が行われウェブを改善していくということです。

ウェブ企業は特に速度が重要であり、所謂「赤の女王の法則」で走るのが普通、追い越したいなら2倍早く走れ!という理論では限界があり、それだけで売上が倍増するわけではありません。

システムでいう「アジャイル」の話も本書で登場しますが、それぞれのポッドで大小様々な実験を行いながら、独立して改善を行なっていく。そしてその評価も自分たちで行えるようにしていくことが今後の企業体として求められるものでしょう。

そのコネクト型企業におけるリーダーとは情熱を失わせないように働きかける役目となり、その語る言葉がとても重要となります。

1度読んだだけでは、ポッド間の情報のやり取りの部分で不明瞭な部分があるのですが、少なくとも日本では階層構造以外の企業構造体を持っているところは少ないのではないでしょうか?
記憶の限りだと存在していないのですが、確かに納得させられる本です。

元は海外本なので事例紹介がとても多いですね。



【読了】Winnyの技術




故・金子氏による「Winnyの技術」を読ませて頂きました。

技術畑ではない自分にとっても、ソースコードだらけではない技術本は結構好きで、そこに思想やら新しい技術をどのように実現されているという内容が、全く畑違いの場所で応用がきく事があるからです。

金子氏の存在は亡くなった時の多数のコメントを見れば、技術側へ多大な影響を与え、また素晴らしい功績を残したことでしょう。実際Winnyの存在は社会的にインパクトを与えました。

個人的にはWinny=包丁問題は、より検討が必要だろうと思っています。

違法性の高いファイルのやり取りが可能であり、それを行う人間が罰せられる必要が有ることは確かなのですが、Winnyをダウンロードした人や違法ファイルをやり取りしている人が匿名となっている以上、犯罪を防ぐ事はできず、もし仮にいまでもWinny2が動き続けているとしたらWinny2の掲示板で、かつスレ主じゃない場合、そこに犯罪予告が生まれたとしてその犯罪予告を行ったものが特定出来なかったとしたら。。。

スレ主に対して削除依頼をしなければならないのかもしれませんが、2chのように2chに対して削除依頼をしたり2chを名誉毀損として訴えたりすることは出来るかもしれませんが、Winnyのスレ主を片っ端から訴えるという自体になったのでしょうか?

もちろんそこにはWinny自体の開発により匿名性が失われ、本来の包丁ではなく使う人、一人ひとりを訴える事で対処されたかもしれませんし、もしくはより秘匿性が高く閲覧出来るユーザー自体が認証され、社会問題化したのかもしれません。

今となってはWinnyが継続することにより、どのような未来をたどったのかは知るよしもありませんが、包丁とソフトウェアを一緒と考えるためには社会における監視カメラ的な何かや、違法な行動を抑えるための何かが必要だったのではないか。そう思わずにはいられません。

一方で金子氏は結局無罪になったにもかかわらず、社会がWinnyから得た教訓は現在でも全く生かされていません。それはLINE犯罪といわれる例の事件の報道からも見ても明らかです。

LINEやTwitter、Facebook。なんでも問わないのですが、それは包丁というよりコミュニケーション手段である電話や紙、とにかく、それ自体に犯罪性が無い事はWinnyよりも明らかです。

全く教訓を得ない報道が今でもある以上は、今後も無くならないでしょう。もちろんサービス提供側の自助努力は欠かすことが出来ませんが。

話は戻って、今回Winnyの技術を読んで、今ならクラスタリングの部分でもっと良い方法が生み出せるかもしれないなと感じています。

検索キーワードの一致や部分一致、不一致などによって重み付けされたWinny2の実装ですが、これこそBigData的なといいますか、DMP的により精度の高いクラスタリングの実現が可能なのかもしれません。

P2P技術は今後も無くならないとおもいますが、今後より重要度を増すと考える時期もありました。米国のPrism問題もありますが国家安全(?)的には集中管理してもらわないと困るでしょうが。(ISPに圧力をかければ全部解決する?)

当時は回線速度で階層を決定していたWinnyですが、今だったらどのような設計になるのでしょう。また海外で今使われているBitTorrentはWinny以上の仕組みになっているのでしょうか?

時々Perfect Dark(?)でしたっけ? のような匿名P2Pの名前が出てくるということは今でもP2Pの世界はどんどん進化していることでしょう。

インターネットの技術はエロと違法性の高いコンテンツ分野から発展していきますが、P2P技術が社会に良い影響を及ぼして欲しいと思ってなりません。