【読了】コネクト






コネクト ―企業と顧客が相互接続された未来の働き方」を読みました。

様々なソーシャルメディアがユーザーを獲得し、1ユーザーのプラスやマイナス発言がシェアされ、その感情が伝播するという「カスケード効果」が見られるようになって来ました。
そしてその効果は会社を傾かせたり、倒産させる自体にもなりえるほど力を持つ事があります。

顧客満足という言葉を企業側が仕切りに企業ポリシーとして声高に叫んだところで、ソーシャルメディア上の評価が揺らぐことはないでしょうが、現在のこのユーザー間、ユーザー企業間でコネクトしている社会では従来のようなトップダウン的な縦割り式、階層構造を持った企業組織体型ではなく、本書のコネクト型企業へと変化する必要があると述べられています。

コネクト型企業とは機械的に振る舞うのではなく常に学習する有機体のような企業体であり、そのためより顧客に近い部分への権限移譲と、「しなければならない」から「してはいけない」という緩い方針により自律的に動けるようにすることが重要となります。

AmazonやGoogle、Appleなど様々な例がありますが、所謂ポッドと呼ばれる小グループ体を設け、その組織体ごとに自律的に動いていく組織です。Amazonではtwo pizza teamと呼ばれるピザ2枚で足りるチーム編成がされており、その1組織によって様々な小さな実験が行われウェブを改善していくということです。

ウェブ企業は特に速度が重要であり、所謂「赤の女王の法則」で走るのが普通、追い越したいなら2倍早く走れ!という理論では限界があり、それだけで売上が倍増するわけではありません。

システムでいう「アジャイル」の話も本書で登場しますが、それぞれのポッドで大小様々な実験を行いながら、独立して改善を行なっていく。そしてその評価も自分たちで行えるようにしていくことが今後の企業体として求められるものでしょう。

そのコネクト型企業におけるリーダーとは情熱を失わせないように働きかける役目となり、その語る言葉がとても重要となります。

1度読んだだけでは、ポッド間の情報のやり取りの部分で不明瞭な部分があるのですが、少なくとも日本では階層構造以外の企業構造体を持っているところは少ないのではないでしょうか?
記憶の限りだと存在していないのですが、確かに納得させられる本です。

元は海外本なので事例紹介がとても多いですね。



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