【読了】なぜ通販で買うのですか




なぜ通販で買うのですか (集英社新書)」を読ませていただきました。

通販の歴史を紐解いてみると日本は米国とは全く異なるニーズによって通販の歴史が始まっていることがわかる。近場の店では手に入らない商品を手に入れるというニーズです。

それは米国と違い、少し離れている程度で直ぐに店を見つけることが出来、そこで最低限の商品を手に入れることが出来るという日本の環境にあります。

「通販生活」自体はCMくらいでしか知らないのですが、本書を読んでいくと、だいぶ小売業なのに思想が強い事がわかります。それがいいのか悪いのかはわかりませんが、小売ジャーナリズムとして一定の地位を築いているとおもいます。

インターネットという世界において「通販生活」はある程度地位を確立しているのでしょうか?

サイトを初めて見ましたが、今もなおコンテンツで販売し、昔と売れ筋は変わらなそうだという印象です。

本書を読むとカタログによって、商品が陳列されているだけの販売店とは異なり、よりストーリー性をもって商品を販売することが出来るという点が強調されています。所謂実演販売ですが、その部分を読んで強く思ったのは、なぜ米国のザッポスやIKEAのような動画広告やARをフル活用した小売が日本から出て来なかったのだろうかということです。

たしかに写真でストーリー性を表すこともできますが、動画のほうがより強く小売り側の思想というか、雰囲気を表せるはずです。動画マーケティングという意味で、米国のオールドスパイスの例も同様です。

どうしてより消費者目線の売り方は米国発になってしまっているのでしょう?

それは費用的な問題なのか、斎藤さんの思想が後世に伝わっていないのか、インターネット事業を行なっている社長は若い人が多いからなのか。。。

そこはわかりません。

でも、だからこそEコマースにはまだまだ可能性を見いだせることも確かでしょう。

あとは現在のコマースサイトに掲載されている写真が、ただの商品単体の写真である限り、店頭販売店とは全く変わらないということも確かでしょう。本書の実演販売という内容で商品を販売するのなら、その商品が利用されているシチュエーションでの撮影やモデルを使った撮影など、実際に利用した後の事をちゃんと想起させる見せ方こそが重要になります。


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