【読了】Winnyの技術




故・金子氏による「Winnyの技術」を読ませて頂きました。

技術畑ではない自分にとっても、ソースコードだらけではない技術本は結構好きで、そこに思想やら新しい技術をどのように実現されているという内容が、全く畑違いの場所で応用がきく事があるからです。

金子氏の存在は亡くなった時の多数のコメントを見れば、技術側へ多大な影響を与え、また素晴らしい功績を残したことでしょう。実際Winnyの存在は社会的にインパクトを与えました。

個人的にはWinny=包丁問題は、より検討が必要だろうと思っています。

違法性の高いファイルのやり取りが可能であり、それを行う人間が罰せられる必要が有ることは確かなのですが、Winnyをダウンロードした人や違法ファイルをやり取りしている人が匿名となっている以上、犯罪を防ぐ事はできず、もし仮にいまでもWinny2が動き続けているとしたらWinny2の掲示板で、かつスレ主じゃない場合、そこに犯罪予告が生まれたとしてその犯罪予告を行ったものが特定出来なかったとしたら。。。

スレ主に対して削除依頼をしなければならないのかもしれませんが、2chのように2chに対して削除依頼をしたり2chを名誉毀損として訴えたりすることは出来るかもしれませんが、Winnyのスレ主を片っ端から訴えるという自体になったのでしょうか?

もちろんそこにはWinny自体の開発により匿名性が失われ、本来の包丁ではなく使う人、一人ひとりを訴える事で対処されたかもしれませんし、もしくはより秘匿性が高く閲覧出来るユーザー自体が認証され、社会問題化したのかもしれません。

今となってはWinnyが継続することにより、どのような未来をたどったのかは知るよしもありませんが、包丁とソフトウェアを一緒と考えるためには社会における監視カメラ的な何かや、違法な行動を抑えるための何かが必要だったのではないか。そう思わずにはいられません。

一方で金子氏は結局無罪になったにもかかわらず、社会がWinnyから得た教訓は現在でも全く生かされていません。それはLINE犯罪といわれる例の事件の報道からも見ても明らかです。

LINEやTwitter、Facebook。なんでも問わないのですが、それは包丁というよりコミュニケーション手段である電話や紙、とにかく、それ自体に犯罪性が無い事はWinnyよりも明らかです。

全く教訓を得ない報道が今でもある以上は、今後も無くならないでしょう。もちろんサービス提供側の自助努力は欠かすことが出来ませんが。

話は戻って、今回Winnyの技術を読んで、今ならクラスタリングの部分でもっと良い方法が生み出せるかもしれないなと感じています。

検索キーワードの一致や部分一致、不一致などによって重み付けされたWinny2の実装ですが、これこそBigData的なといいますか、DMP的により精度の高いクラスタリングの実現が可能なのかもしれません。

P2P技術は今後も無くならないとおもいますが、今後より重要度を増すと考える時期もありました。米国のPrism問題もありますが国家安全(?)的には集中管理してもらわないと困るでしょうが。(ISPに圧力をかければ全部解決する?)

当時は回線速度で階層を決定していたWinnyですが、今だったらどのような設計になるのでしょう。また海外で今使われているBitTorrentはWinny以上の仕組みになっているのでしょうか?

時々Perfect Dark(?)でしたっけ? のような匿名P2Pの名前が出てくるということは今でもP2Pの世界はどんどん進化していることでしょう。

インターネットの技術はエロと違法性の高いコンテンツ分野から発展していきますが、P2P技術が社会に良い影響を及ぼして欲しいと思ってなりません。
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