【読了】統計学が最強の学問である




遅ればせながら「統計学が最強の学問である」を読みました。

もともと心理学統計法の方を大学でやっていましたので懐かしく思いました。たしかに心理学で統計というと質問紙のイメージが強いかもしれませんが、個人的には生理心理、実験心理の方がメインだったので、実は生物学的な統計手法の方が馴染み深いです。

どうでもいいですが、質問紙の場合は本書内にある通り、プレテストを繰り返しながら質問を絞るだけではなくて、似たような質問を複数入れる事によって、回答者の信頼度を見たりもします。

統計というものを全くかじっていない人が本書を読んで、どのくらい理解できるのかは結構微妙な気がしましたが、ウェブ業界において統計学、または統計学的な考え方が重要であることに変わりはありません。

本書内で紹介されているABテストしかり、レコメンドエンジンしかり。

「平均」という言葉に騙されてしまったり、とりあえず平均値を出そうとして、Excelでaverageなんて打ちだす事も結構ありますよね。

統計を少しでもかじっていなければ、極端な値を省いて云々なんて考えに至らないでしょう。

あとはバラつきの概念などもそう。

今年火が付いているDMPの世界も、レコメンドと似たような概念かもしれませんが、個人的には注目しています。それは単なる広告表示としてのDMPという概念ではなくて、その技術を用いたウェブサイト内でのセグメンテーション技術への応用の可能性です。

もちろんセグメンテーション技術は今でも様々な会社がASP等で提供をしておりますが、サイトごとに適したセグメンテーションとなると、やはりカスタマイズ性が求められるわけで、広告業界のような大きなお金が動くマーケットでの知見というのは結構技術的な発展を促すのではないかと期待していたりします。

私自信、今現在は統計をあまり利用していない、もしくは誤差や有意性を考慮せずに利用してしまっている部分があるため、なかなか心苦しいところではあります。

一部の学者の場合、統計的な有意差を表す数値が裁判に利用されて、人を殺しかねないかもしれません。一般企業に務めている人間で研究職以外で、そのような状況に陥ることは無いとは思いますが、その統計的な数値が経営手法や経営判断を誤らせることにも繋がりかねません。

そのことを肝に銘じて、正しい知識で数字を扱わなければならないと再度認識しました。
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