【読了】20%ドクトリン サイドプロジェクトで革新的ビジネスを生みだす法




20%ドクトリン サイドプロジェクトで革新的ビジネスを生みだす法」を読みました。
今は「ハッカソン」という言葉をシステム関係者なら誰もが耳にしたことがあると思いますが、米Yahooで始まった「Hack Day」が一般に公開され、全世界的に広げていったその企画がどのように生まれたのか。そしてGoogleのGmailやGmail内のAdsense広告がどのように生まれたのか。その他本書内で紹介されている事例が20%ルール、即ちGoogleがかつて公言していた業務時間の20%を自由な自分のやりたいプロジェクトに時間を割くという、そのルールによって生まれてきた。

どの事例にしても、それぞれ開発者が自分にとって必要だと判断し、素早く形にしながら、その形によって皆を納得させていく。そして往々にして形にする過程においては資金や人などの資源で制約が付くものです。

本書で紹介されている事例は全てがその制約を味方につけ、サービスの発展につなげている。

20%ルールによって作られたサービスがGoogleのように会社の主力商品となることもあれば、Flickrのように主力としていたゲーム事業を捨て去り、写真共有サービスの会社となる、完全に事業を乗っ取る例もありますが、そこにはアジャイルの「イテレーション」とリーンの「ピボット」の概念がとても重要になってくるわけです。

本書におけるFlickrの「ピボット」は説明不足なのか、リーンの考え方に照らし合わせると、ちょっと企業目線で強引な掛けのような「ピボット」なので、Flickrの例は偶然の産物なのかもしれません。

あと、本書でGmailの事例の部分で未だにJavascriptをJavaと言い続けている部分があって、その点ではとても残念でした。訳者が悪いのか著者が悪いのか。。。

まぁ本書の内容とはあまり関係がないのですが、ちょっと気になってしまいまして・・・

ともかく、事例とそのまとめとしての本書はとても意味のあるものだと思います。


<追記>
Gmail内広告の導入に関して、Adsenseのディスプレイ広告技術がそのまま応用されたということでした。それはメール内の文章を解析して最適な広告を表示するというもの。
その技術は逆に今のコンテンツ重視のSEOに繋がってきていて、そのコンテンツ内の解析とタイトルタグとか、その他要因との相関性を見ながら、且つキーワードが羅列されるような状況であることを検知しながらコンテンツとしての価値算出に結びついているのでしょうね。
Share:

0 コメント:

コメントを投稿