グロースハッカーという思想はアウトバウンド、インバウンドの両方のマーケティングに通じる

グロースハッカー」を読みました。
「グロースハッカー」とは何かというと思想(考え方)であり、その目標とするところは「製品自体を数百万人の顧客にリーチする自己永続マーケティングマシンにすること」としています。

この思想自体は本書内でも言及されている通りエリック・リースの「リーン」の概念で触れられている「PMF(プロダクト・マーケット・フィット)」という、プロダクト(製品)またはサービス自体が顧客のニーズと一致するという状態を作り出すという考え方に強く影響を受けていると同時に、「測定」という側面からアジャイルの「イテレーション」という概念にも強く影響を受けています。マーケティングに適用するならば、パフォーマンスを見ながらPMFのMにあたるマーケット(ターゲット)の方向性を即座に変更・改善を繰り返すという考え方になります。

そして著者は今までの既存のマーケターは滅び、「グロースハッカー」という思想を持つマーケターが生き残るとしています。

これは本書内で「グロースハッカーは、伝統的なマーケティング戦略を放棄し、検証・追跡・測定可能なものだけを用いる」とある事からも分かりまが、既存のマーケティングである広告やCMなどのマスに対するマーケティングではなく、いかに数値化し測定をすることでPDCAを回していくかを重要視します。ただ、同時に筆者は本書の前半部分で"製品の開発・設計フェーズからその概念が必要"と書かれているにも関わらず、あくまで「マーケティング」の中でもアウトバウンドなマーケティングを中心に書かれているような印象を受けました。

この部分は、考え方としては非常に同意するところではありますが、サービスを作るというフェーズについての言及が殆ど無かったのは少し残念ではありました。

ここ最近、アウトバウンドマーケティングはアジャイル思考、インバウンドマーケティングはリーン思考で考えるべきだと主張していましたが、確かにPMFの概念はアウトバウンドにも有効であると本書で理解できました。それはやはりプロダクトまたはサービスそれ自体が既にリーン思考で作られている、即ちある特定のユーザー群のニーズにマッチしているという前提ではありますが、そのようなプロダクトまたはサービスを、さらにアウトバウンドマーケティングにPMFを適用し、ちゃんと適切なマーケットへプロモーションを行う事を考えていく事が大事ということです。

本書内のHotmailのようにインターネットを使うマスユーザーに対するマーケティング戦略と、ニッチ市場におけるマーケティング戦略は異なりますので、他社事例をそのまま適用することは出来ません。しかしながら、Dropboxが海外のRedditでマーケティングしたように、そのサービスを好むユーザーが集まる場所へマーケティングを行う事は、当たり前ではありますが重要です。

既に海外のスタートアップではマーケティング職が存在せず、いかに数値的な効果検証を行うかという点でシステムの知識が必須とされています。それはシステムを知らなければ、何が測定出来て何が測定出来ないかが、そもそも分からないためです。

2013年は日本でもやっとシステムの思想やデザインの思想、マーケティングの思想が一つになったなと「グロースハッカー」を読んで実感することができました。

サービスやプロダクトというレベルでのユーザビリティ、システムのアジャイルやリーンの考え方がマーケティング視点にも導入すべきということが2013年は強く意識されてきました。

そしてこの後はユーザビリティの考え方から事業やサービスのSustainabilityを考えるという視点だけでなく、インバウンドマーケティングにも同様に適用すれば、変な言い方ですがコンテンツレベルでのSustainabilityをも考えられるのではないかと思っています。

即ちある特定のターゲットユーザー層に対し、フロー情報のような流れていくコンテンツではなく、常に求められるストックコンテンツとしてのSustainabilityを考えていくという思考です。

アウトバウンド、インバウンドどちらにもシステムと同様の思考をしつつ、ユーザーに合ったサービス作りをしていくこと、そして適したユーザーに適したマーケティングを行うこと、そして何よりも測定を行っていくことが次のデジタルマーケティングとして重要となります。


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Google Tag Manager(gtm)でブラウザの広告ブロックを計測する

ChromeやFirefoxなどのブラウザがだいぶ広まり、拡張機能として「広告ブロック」を導入される場合が増えています。
世界規模のデータですが、過去のデータによるとChromeで1500万人、Firefoxで1500~2000万人が広告ブロック機能を導入しているということで、フリーミアムモデルなどで広告モデルを採用されている場合、どのくらい広告がブロックされているのかが気になるところ。

それをGoogle Analyticsで調査しようぜ!というわけで、海外でAdsense + Universal Analytics例が掲載されていました

ポイントとしては

・HTMLのdiv要素などで高さを計測し、バナーがブロックされた場合、高さが0になることを測定する。
・CSSで表示されているかいないかを判定する

などがあります。

今回は一つ目の高さ判定で、Google Tag Managerでやってみようと思いまして、こんなソースをタグの「カスタムHTML」で埋め込みました。
※heightの90という数字は広告の大きさによって変化させてください。



window.onload = function() {
    var height = document.getElementById('●●●●').offsetHeight;
    if(height < 90) {
      dataLayer.push({'event':'Ads', 'action': 'Blocked'});
    } else {
      dataLayer.push({'event':'Ads','action': 'not-Blocked'});
    }
}

今回は「イベント」で計測する方法で書きました。
本当はカスタム変数のセッションレベルでの計測がいいと思いますが、カスタム変数を消費するのもなぁと思い、イベントでユニークイベント値を拾おうかというものです。
onloadでfunctionを動かすのはイケてないような気がしていますが、データの取得は問題なさそうでした。

もっとこんなやり方がある!というものは色々とあると思いますが。

【参考】
Google Tag Managerに関するまとめ

12日にGoogle Analytics APIの更新があったようですね

12日に比較的大きめなGoogle Analytics APIの更新がありました。

読みにくいですが、以下の様な感じです。
今回大きなものはisMobile、isTabletまわりの変更と、Google Chart APIがらみのData Table Objectですね。

少しまとめながら思ったのは、今までprefixが「ga:」だけかと思っていたのですが、MCFは「mcf:」というprefixなんですね。。。Google SpreadsheetでScriptを組むにしても、その辺りをちゃんと考慮しないとエラーになりますね。


【Management API】
・「ga:isMobile」ga:isTablet」は非推奨となりました。
・gaid::-11 が加わりMobile Trafficという記述から「Mobile and Tablet Traffic」へと変更されました。それに伴い「ga:isMobile==Yes」という定義から「ga:deviceCategory==mobile,ga:deviceCategory==tablet」という定義へと変更となりました。
元々isMobileはタブレットを含んだモバイル情報として定義されていたので、タブレットを別途除外しなければなりませんでしたが、今回の変更で「Mobile Traffic」(gaid::-14)が新しく定義されます。
・gaid::-13が加わりました。定義は「ga:isTablet==Yes」から「ga:deviceCategory==tablet」へ変更。
・gaid::-14が加わりました。Mobile Trafficを示し定義は「ga:deviceCategory==mobile」です。

【Core Reporting API】
・Google Analyticsデータをより簡単にGoogle Chart Visualization機能を使えるよう、Data Table Objectレスポンスが用意されました。

■新しいDimensionsとMetrics
・Timeに「ga:minute」「ga:nthMinute」を追加
・Audienceに「ga:visitorAgeBracke」「ga:visitorGende」「ga:interestAffinityCategory」「ga:interestInMarketCategory」「ga:interestOtherCategory」を追加。

■新しいセグメント
・Dimensionに対して「ga:sourceMedium」が加わりました。「ga:source」と「ga:medium」の組み合わさったものです。
・メトリックスに対しては「ga:localItemRevenue」が加わりました。

■今回非推奨となったもの
・ga:isMobile -> ga:deviceCategory==mobile
・ga:isTablet -> ga:deviceCategory==tablet
・ga:entranceBounceRate -> ga:visitBounceRate

【MCF】
■コンバージョンパス
Adwordsのグループidに対するdimensionに「mcf:adwordsAdGroupIDPath」
Adwordsのキャンペーンidに対するdimensionに「mcf:adwordsCampaignIDPath」
Adwordsのクリエイティブidに対するdimensionに「mcf:adwordsCreativeIDPath」
Adwordsのcriteria idに対するdimensionに「mcf:adwordsCriteriaIDPath」

■インタラクション
・dimension「mcf:adwordsAdGroupID」 <- Adwords APIの「AdGroup.id」に該当するもの
・dimension「mcf:adwordsCampaignID」 <- Adwords APIの「Campaign.id」に該当するもの
・dimension「mcf:adwordsCreativeID」 <- Adwords APIの「Ad.id」に該当するもの
・dimension「mcf:adwordsCriteriaID」 <- Adwords APIの「Criterion.id」に該当するもの

<参考>
Google Analytics - All API Changelogs

Google Spreadsheetで自分用の簡単なメール送信予約スクリプトを作る。

Google SpreadsheetではExcelで使える数式でガツガツ作りこむことも可能ですが、その場合シートがどうしても重くなりがち。

Query関数で引っ張ったほうがサクッといくことがあります。
今回はQuery関数を使って、前から作っておきたかった簡単なメール送信予約シートを作りました

今までChromeの拡張を使ったりしてたのですが、有料ですとかフリーミアムモデルで途中から有料ですとか言われたものの、そんなものSpreadsheetで作れるのに有料とかいい商売してるなーと感じてました。

Spreadsheetに簡単なフォームを生成して、あとは1分おきとか5分おきにScriptを回しておくだけ。




1時間くらいで作ったというのもあって、変数定義の部分の変更くらいはいれようかなぁ。
ま、こんなスクリプトを書いてみました。



var sheetNumber = 1
function sendEmails() {
  var ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
  var sheet = ss.getSheets()[sheetNumber - 1];
  var now = new Date();
  var nDate = now.getYear() + "/" + parseInt(now.getMonth() + 1) + "/" + now.getDate();
  var nTime = now.getHours() + ":" + now.getMinutes() + ":00";
  sheet.getRange("J1").setValue(nDate);
  sheet.getRange("K1").setValue(nTime);
  sheet.getRange("A1").setFormula('QUERY(\'Form Responses 1\'!A:F;\"select * where E = date \"&text(J1,"\'\'YYYY-MM-DD\'\'\")&\" and F = timeofday \'\"&K1&\"\'\")');
  var rows = sheet.getLastRow();
  var dataCount = rows - 1;
  var emailAddress,subject,message,dataCount2;
  if(dataCount > 0){
  for(var i = 0 ; i < rows-1 ; i++){
    emailAddress = sheet.getRange(i+2,2).getValue();
    subject = sheet.getRange(i+2,3).getValue();
    message = sheet.getRange(i+2,4).getValue();
    MailApp.sendEmail(emailAddress, subject, message);
  }
    
    var latestDate = sheet.getRange(rows,5).getValue();
    var latestTime = sheet.getRange(rows,6).getValue();
    sheet.getRange("M1").setValue(latestDate);
    sheet.getRange("N1").setValue(latestTime);
    sheet.getRange("A1").setFormula('QUERY(\'Form Responses 1\'!A:F;\"select * where E = date \"&text(J1,"\'\'YYYY-MM-DD\'\'\")&\" and F > timeofday \'\"&K1&\"\'\")');
    rows = sheet.getLastRow();
    dataCount = rows - 1;
    sheet.getRange("A1").setFormula('QUERY(\'Form Responses 1\'!A:F;\"select * where E > date \"&text(J1,"\'\'YYYY-MM-DD\'\'\"))');
    rows = sheet.getLastRow();
    dataCount2 = rows - 1;
    if(dataCount == 0 && dataCount2 == 0){
      DeleteSheet();
    }
  }
}
function DeleteSheet() {
    SpreadsheetApp.flush();
    var ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
    var sheet = ss.getSheets()[sheetNumber];
    var datarange = sheet.getDataRange();
    var lastrow = datarange.getLastRow();
    var values = datarange.getValues();
    for (i=lastrow;i>=2;i--) {
        var tempdate = values[i-1][2];
        {
            sheet.deleteRow(i);
            function deleteAllResponses() {}
        }
    }
}
function deleteAllResponses() {
  var form, urlForm = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getFormUrl();
  if (urlForm) {
    form = FormApp.openByUrl(urlForm);
    if (form) form.deleteAllResponses();
  }
}


追記1)シートが重くならないように一定条件でデータを削除するフローを追加と、それに伴う一部ソースを修正しました。

ZMOTからFMOT、そしてFMOT内における購買決定

eコマースサイトにおいて、ZMOTフェーズのユーザーアクセスが特に多い商品詳細のようなページとFMOTフェーズのユーザーにおける商品購入行動について少し考えてみました・・・。

商品購入前の情報収集を行っている段階が所謂ZMOTですが、それはサイト内の直帰率と強く結びついていると考えられ、直帰率が高めで且つ購入フロー一歩手前の詳細ページに関してはZMOTフェーズのユーザーアクセスが多いと考えられます。

また、FMOTフェーズのユーザーは例えばマルチチャネルファネル(MCF)のAssist / Lastの比率、またはFirst / Lastの比率が最も低い経路からアクセスされるページ群や、検索経由でも自サイト名や自社ブランド名と、何か別のキーワードを組み合わせたような指名買い的な流入は既にFMOTフェーズに入っていると言っても良いのではないかと考えます。

さらに言えば、ZMOTを経由して数日後にFMOTフェーズで商品を購入した場合、その購入までの期間が所謂CVまでの日数となり、MCFのAssist / Lastの比率が高いチャネルから低いチャネルからの流入に切り替わるまでの時間がZMOTからFMOTへの態度変容と考えても良いと思います。

ZMOTからFMOTへそのまま移行させるためには、ZMOT時に期待される価格情報やクチコミ情報、評価などの見せ方や信頼性をひと目で分かるデザインにしたり、商品購入に役立つコンテンツを整備することが必要になるでしょう。

なお、FMOTフェーズでは直接商品詳細ページにランディングするパータンもあるかもしれませんが、ZMOTフェーズでの検討の結果、購入するウェブサイトだけが決まった場合はTOPページへランディングすることも考えられます。
その場合、今度はサイトナビゲーションが非常に重要となり、サイト流入後の1回目のクリックを誤らせないようなわかりやすいナビゲーションを提供する必要があります。

(参考)
The Importance Of The First Choice In Website Navigation


となると、目標達成までの距離でもっとも最短の"有効かつ効率的"なタスク(クリックダウン)から大きく距離が離れた場合、目標達成はされず、あまり大きく外れていない場合は達成できる可能性がある。
もしかしたら、「初期状態」からの最初のベクトルの方向性だけで目標を達成するかしないかが決定してしまう可能性さえある。

(黒須,2005をやや編集)


また、ウェブサイトへ流入するキーワード群もZMOTフェーズかFMOTフェーズかを分けることが出来るのと同時に、流入経路による態度変容の検出や態度変容が起きない場合のコンテンツ修正など、新たなマーケティング戦略を練るキッカケにもなるような気がしています。

インバウンドマーケティング
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Google AnalyticsのCustom Dashboardを競うAnalytics Competition開催中!

Google AnalyticsのカスタムダッシュボードをGoogle関係者の方々に見てもらってギフトカードや商品をもらおう!というイベントが年末まで開催中です。

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ジャッジの面々は・・・


おおお。。。

賞金は
1位が400ドルのGoogle Playギフトカード、2位が200ドル、3位が100ドル、全員Google賞品もいただけるとのこと。スペシャルチャンピオンバッヂも獲得できますが、どういったものなのでしょう。

年末まで考えてBestなものを投稿してみてはいかがでしょう?

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デジタルマーケティング界隈の2014年予測からマーケティングのアジャイルとリーンを考える・・・

12月に入るやいなや様々なメディアから2014年の予測と題したコンテンツが投稿されています。
ちなみに、こちらのサイトでは各サイトの主張を箇条書きでまとめつつも、大きな流れとしては3つに集約されるとしています。

  • 動画マーケティング
  • アジャイルマーケティング
  • コンテンツマーケティング

です。
これを見ると、2013年から流れは変わらないなという印象なのですが、何故か「アジャイルマーケティング」という言葉に少し引っかかりました。

アジャイルマーケティングの説明として、一言でマーケティングのリアルタイム化と述べられていますが、ガーディアンの「Location-based real-time marketing」やイギリスのMarketing Magazineで言う「The move to real-time content marketing」あたりにそれをトレンドと位置づけた根拠があるようです。

それはともかく、僕が「アジャイルマーケティング」という言葉の何に引っかかったのかというと、なぜここで書かれている「アジャイルマーケティング」は「リアルタイムマーケティング」のような単純明快な言葉ではなく、「リーン」という言葉でもなく、敢えて「アジャイル」という冠を付けたのだろう・・・というしょうもない疑問なわけです(苦笑

通常マーケティングは既存サービスがあることが前提で、理想的な事を言えば「リーン」のプロセスを経て、より利用されるサービスだという確信を得てリリースされたものを、さらに利用者を増やすべくマーケティングするという流れになると思います。

一方マーケティングには昨今、「アウトバウンドマーケティング」やら「インバウンドマーケティング」という言葉がありますが、「アジャイル」やら「アウトバウンド」やら「インバウンド」という言葉を頭に思い浮かべていて、何となく頭に浮かんだのは、「アウトバウンドマーケティング」は「アジャイル」、「インバウンドマーケティング」は「リーン」プロセスを経るべきではないか?ということです。

つまり、アウトバウンドマーケティングでは細かなセグメンテーションなどによるターゲティングにより、よりテスト的にマーケティングを行いつつイテレーションを繰り返し最適なポイントを見つける事が重要で、インバウンドマーケティングでは流入者情報やソーシャルメディアなどの市場のトレンドを見ながらユーザーが望んでいるコンテンツの中身をMVP的な考えで埋め込みながら作り出すことが重要ではないかということです。

内容としては至って普通だと思いますが、アウトバウンドとインバウンドでだいぶ考え方が違う事になります。実は自明のことなのかもしれませんが、コンテンツにおいてMVPと同じ概念を適用するとどうなるか・・・そんな事を考えると、少しプロセスや結果の見方、分析の仕方を「アウトバウンド」と「インバウンド」で変える必要があるなと感じました。

今年のブラックフライデーのソーシャルコマースデータは過去のデータを踏襲したものとなった

IBMの速報値によれば今年の米国ブラックフライデーはオンライン側で12億ドルの取引があったということですが、ソーシャルメディア経由での売上はとても小さな割合だったということです。

IBMは800の小売業者のトラフィックを解析したものの、ソーシャル・ネットワーク経由でeコマースサイトへ訪問したセッションはたった1%にすぎなかったと報告されました。セッション定義としては、コマースサイトへの流入の直前に見ていたサイトがソーシャルサイトであった、即ちラストクリックがソーシャルサイト経由であるセッションというものです。

<参考>
Social Media’s Cold, Hard Reality: It Still Doesn’t Drive E-Commerce Sales, IBM Says

これはソーシャルメディアがGoogleの示す購入までのカスタマージャーニーを区分する4フェーズのうち、「Awareness」、「Consideration」フェーズあたりにソーシャルメディアが位置しており、購入決定の「Decision」フェーズには直接的な影響を与えていないという調査にも現れている通りです。


※上の図は一応「日本」で絞っていますが、アメリカの場合、もう少し「Intent」寄りです。

自社のAnalyticsでチャネル貢献度を見るにはマルチチャネルファネル(MCF)の「アシスト/ラスト」欄です。




MCFの値が1に近い、または1以下であれば分母、即ち「ラスト」の比率が高くなるので、即ち「Decision」に強く貢献をしているということになります。

皆さんの自社におけるソーシャルの貢献度はどのくらいでしょう??

こう見ると、Googleの出している調査データもそうですが、今回のブラックフライデーにおけるソーシャルメディアデータは今までの調査を裏付けるような形になっているようですね。

ただし、これはあくまで「直接的な」貢献度のお話。
ソーシャルメディアは購入に対するアシストとしての役割として、以下の様な施策として利用すると良いかもしれません。


  • ブランドプロモーション : 真っ先に思い起こさせる、所謂「ブランドアウェアネス」への貢献
  • アクティブサポート
  • ロイヤリティーの改善 : 新規顧客開拓だけでなく既存顧客との関係強化
  • ソーシャルメディア側のユーザー発言に見るマーケティングの気付きを得る
  • SEOへのサポート : 今はGoogleの+1などはランキングへの影響を与えていませんが、海外調査を見る限りFacebookやTwitterなどとのランキング相関性は高まっていることは事実です。


SEOという点でいえば、あくまで個人的な考えですが、ウェブサイトは人や企業に必ず結びついていて匿名だとか匿名じゃないとか、そういう違いはあっても運営していてパブリックに公開する以上、少なからず検索に引っかかって欲しいという意図があるはずです。

したがって、単純にウェブサイトを作って公開しただけでなく、人がいるソーシャルメディアには何かしら告知の意味でのポストがある可能性がありますし、また内容が面白ければ発見した人がソーシャルにバラ撒く可能性があるわけで、その意味においてソーシャルメディア自体には、現状でもある程度の検索botに対するリンクディスカバリー機能はあると考えています。

その意味においてもソーシャルメディアがSEOをサポートするだろうと考えています。

主張としては、あまり従来のものと変わらないのですが、ソーシャルを購入を促す媒体として利用するという発想ではなく、あくまで「ソーシャル」として捉える事ですね。

もちろん、サイト運営側は以下の様な定量的なデータを見ていないと、ソーシャルのインパクトやマーケティングタイミングを逃す可能性もありますので、サイトに応じて定量で追うべき数字は選定しておいたほうが良いと思います。

  • ソーシャルからの流入トラフィック
  • ソーシャルからの流入コンバージョンレート
  • ファン数やフォロワー数
  • 全体に対するソーシャル流入売上の割合
  • ソーシャルメディア経由での問い合わせの数の割合

Google Tag Manager(GTM)のデバッグモードで、発火状況だけでなくルール単位での発火状況を確認する

Google Tag Manager(GTM)ではデバッグモードがあり、どのタグが発火しているかを「ステータス」を見ることで確認することが出来ます。
今回ご紹介するのは、現在はまだ表示されていませんが、ソース上は更に詳細なデバッグを行うことが出来るというものです。

まずは、実際に詳細データを表示した時のデバッグモード画面がこちらです。


どのルールに合致し、そのページトラッキングなどのタグが発火しているかが一目で分かります。
カスタムHTMLなどの場合は、そのscript情報が「タグ」欄に表示されます。

で、実際のソースですけれども。

デバッグモードで表示されている発火状況のテーブルのtrのidが、簡易版を示す「tag-●●-brief」と「tag-●●-detail」の2つで構成されており、通常はbriefのみ表示され、detail側はスタイルシートで非表示扱いとなっています。



このdisplay noneをデバッグツールで非アクティブ化すれば、詳細な情報も見えるようになります。




ぜひ試してみてください。