【GAS】Gmailから本文を取得してSpreadsheetへ反映させる(メモ)

シートを動的に扱うことが多いので、グローバルにシートナンバーを定義してしまっていますが、Gmailの本文を取得して、indexOfとかでごにょごにょするのは結構楽しいです。


var sheetNumber = 1;

function dailyGmailGetBody() {

  var ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
  var sheet = ss.getSheets()[sheetNumber - 1];
  var threads = GmailApp.search('subject:"●●" from:"●●"',0,1); //検索条件を指定して、リストの1つ目のみを取得する

  var messages = threads[0].getMessages(); //メールの親スレッドメッセージを指定
  var tBody = messages[0].getBody(); //メッセージの本文取得

}

【読了】Webサービスのつくり方

ウェブサービスの企画から設計、開発、プロモーションまで全て一人で行なっている和田裕介さんのWebサービスを立ち上げるまでの過程を簡単に説明した本です。

つい最近Webディレクターの集まる会で気軽に絡んでしまって申し訳ないなぁと思いつつw
和田さんの本から学ぶことは多かったです。プログラマではないのでperl知識的な部分はさらっと読み進めましたが、プラニングとプロモーション部分について、時間がないことを言い訳に手を抜くことも若干ながらあるので、その点を考えると現在進めているプロジェクトも含め、一旦ドキュメント化しておこうかなぁと考えさせられました。

当たり前ですがWebサービスの企画をする上で大切なのは

・哲学
・アイデア
・テーマ
・コンセプト
・名前
・デザイン
・内部設計

です。上から順に進めていくことになりますが、哲学がサービスを作る原動力となるため、最も重要です。

最後のプレスリリースのタイトルでもありますが、「■■■のために▲▲▲ができる」という一言でウェブサービスを表すこと、つまり「Why」と「What」を意識することは「テーマ」の設定としても重要です。

一つの確固たる哲学から広がるアイデア、それを次は一言へ収縮したテーマ・コンセプトへ。
次にテーマ・コンセプトから再び膨らませていく過程が手に取るように分かるようです。

例)クックパッド
哲学「料理は楽しい」
コンセプト「ユーザーがレシピを共有できるサービス」
など

プログラマだけでなくディレクタやプランナーもぜひ手にとって欲しいと思います。


Webサービスのつくり方 ~「新しい」を生み出すための33のエッセイ (Software Design plus)

【オススメしない】「ビッグデータ時代の新マーケティング思考」を読んだけど・・・

うーん。(´ヘ`;)

「ビッグデータ時代の新マーケティング思考」を読んだのですが、内容が古いというか、色々と詰め込みすぎているので、それぞれの分野の本を個別に読んだほうが全然おもしろいし、身につくことは間違いないような気がします。

ビッグデータが大切なのは間違いないんだけど、結局のところ、分析する側が何に注目し、どういう仮説をたてるかが重要であることに変わりはないわけです。そして、分析官が必要か?というと、昨今アメリカを中心にデータを見せる、Data Visualization専門企業の買収やら資金調達が目立つわけで、個人的には"今は"分析する専門の人が必要だけれども、ゆくゆくは必要が無くなるだろうと思っています。

いや、一人は何かしらわかっている人が必要だとは思いますが、どこまで高度な知識が要求されるかという点では、それほど高い知識は必要ないのではないかと思うわけです。

そしてGoogle Analyticsのような解析ツールと同様に、各企業・業界ごとに様々な指標のレベル、即ちユーザーレベルやセッションレベルのような分類で分析しやすいIFを作り出せるツールが出てきて、より企業側のニーズに合わせた簡単な分析が可能になっていくだろうと思っています。

今まで一人ひとりの人間には趣味や所属などによるタグが常に存在しており、そのタグを繋ぎあわせていくことがソーシャルの最も基本的で簡単な概念だろうと思ってきましたが、タグという点から行動という線の考え方が必要となりはじめてきたと感じます。

見込みの客という点ではテキストマイニングなどが有用な場合もありますし、その時々に応じたツールを利用できるようになれば良いのではないかと思ったりしてしまいます。

【書評】ジェフ・ベゾスの人となりと企業戦略を知る「ワンクリック」

Amazonの次から次へと打ち出されるサービスや戦略の数々に、びっくりさせられることが多いのですが、その根本にある原動力は、やはりジェフ・ベゾスその人の思想にあります。

モンテッソーリ教育を受けたベゾスですが、勉強することで何でも自分で実現できるという強い思想が感じられます。システムに明るいジェフ・ベゾスの先見の明は素晴らしいものがありますね。ただ、時々噂になるAmazonが取引先に対し圧力をかけるやり方というのも、ちょっとどうだろう・・・と思ったりします。

消費者のためにならない権利団体などを破壊する動きは大切なのかもしれませんが、本の著者がそもそも儲けることが出来ないような市場にはするべきではないでしょう。
今AmazonはKindle端末により電子書籍を大きく推進しているわけですが、これは本のデジタル化が必然の流れと感じている、または必然の流れに世界を誘導していくという強い意志の現れなのだろうと思います。

そして、良い本が良い評価を受け、著者が儲けるという流れをデジタルの世界でどこまで実現できるかを想像し、進めているのではないでしょうか?

本書を読んで、ジェフ・ベゾスの言動が顧客を大切にしているというメッセージに重きをおいた、パフォーマンスのように思えてならないわけですが、知らない一面を知ることが出来たという意味で、とても良い本だと思います。

最後に2つほど、言葉を紹介。

IPOの1ヶ月前
「サクサクと気持よく反応するサイトで、まるで生きているように感じられる。英語で書かれたあらゆるタイトルが指先ひとつで手に入るのはワクワクするし、読者のレビューがあるので対等なやり取りもできる」

ミュージックストア発表時
「我々は、電子商取引ならここという場所になりたいと考えています。誰かが何かをオンラインで買いたいと考えた時、それが我々が取り扱っていないものであっても我々のところへ来てもらえるようになりたいのです。オンラインで買ってもいいかなぁと思うものをオンラインで簡単に見つけられるようにしたい-売るのが我々でなくても、です」


ワンクリック―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛

【書評】「MEDIA MAKERS」はウェブサービスを再度考えさせる本

巨大オフラインメディアでも巨大オンラインメディアでも、活躍されている田端信太郎氏の「メディア」に関する本です。

メディアの定義部分は本書にお任せするとして、一番おもしろいと思ったのはコンテンツ軸でのメディア分析部分です、具体的には

・ストック ⇔ フロー (時間的視点)
・参加性 ⇔ 権威性 (発信者評価的視点)
・リニア ⇔ ノンリニア (ストーリー的視点)

の3軸です。この3軸を知ることで、もう一度自分が関わっているメディアというものに関し、分析をし、次の展開を模索する助けとなるような気がします。

時間的視点では、本のようなストック型の情報からマイクロブログのフロー型の情報まで、時間経過によって失われる価値の度合いが異なるわけですが、インターネット上のコンテンツでもWikipediaのようなストック型情報や、今後電子書籍というストック型情報が着実に増えていくことは間違いありません。

メディアとして市場が小さくなりつつある雑誌コンテンツは中間に位置するものと本書ではされていますが、雑誌のコンテンツも分野によってはストック型情報にも関わらず、1ヶ月で購入できなくなるという儲け的観点から強制的にフロー型になってしまっているものも多いと感じます。というより、むしろそのような事例のほうが多いのでしょう。ある程度情報が集まった段階でムック本のような形で出版し、ストック型情報として力を持つものとすることも出来るとは思いますが。

このあたりは結構難しい問題ですよね。

発信者に対する評価的視点としては、食べログとミシュランガイドを対比する例がありますが、この例は非常に微妙と言わざるを得ません。ミシュランガイドの権威性の説明部分で、大事な人を招待するなら食べログよりミシュランガイドでしょ?みたいな論調部分です。

しかしながら、人は常に大多数の意見と1権威者の意見を時と場合によって使い分け、利用しているのではないでしょうか?

食べログの中でも「あの人が旨い!と言った店は本当に美味しい」というパターンも出始めていると聞いたことがありますが、食べログという一つの中でも大多数の★による意見を参考にする場合もあれば、誰かを食事に誘うシチュエーション等、その状況に重きを置く場合や「美味しいものを食べたい!」、「あの人のファンだ!」といった場合には、その情報発信者自信の権威が重要となるわけです。

インターネットで、1個人または1企業などで権威が発生した場合、それを追うための手段として本書でメディアツールと言われている部分に入ってくると思いますが、RSSリーダーやFacebook内の購読(フォロー)といった仕組みが有効になるのではないでしょうか?

むしろ参加性メディアの中に影響力を持つ人物や媒体を発生させなければ、その参加性メディアは生き残ることが出来ないのではないかと感じるのです。その意味において、参加性メディアとしてはその影響力を持つ人や媒体を生み、かつ最大化させるためのフォローや情報が定期的に入ってくる仕組みづくりが大切なのではないかと感じています。

ストーリー的視点としての「リニア」という概念は今インターネット上で重要視され始めてきた分野なのかもしれません。本書で例として挙げられているのは「映画」で、つまりリニアとは「頭から最後まで見てもらうこと」を想定されたものを指しています。

インターネットにおいてコンテンツは細分化し、ウェブサイトのTOPから順を追ってたどる人よりもむしろ、検索によってピンポイントにコンテンツへランディングする人が多いわけで、その意味でインターネットはノンリニアに特化したものと言えるわけですが、今インターネットにおいて最も考えなければならないポイントはこの「リニア」の部分で、例えば本書でも出てくるペルソナを想定し、かつそのペルソナのストーリーを考え、ウェブでそのストーリー通りにたどる導線の設計が必要とされています。

また、より大きくジャーニーマップ的にそのウェブサイト外も含めたストーリーの中から、そのウェブサイトを再定義し、ストーリーにサイトを組み込んでいくことが今盛んに議論されているウェブマーケティング的な思考だと感じています。ひとくくりにUXと言ってしまえばそれまでですが。

すごく考えさせられたのは、インターネットにおいてノンリニアとリニアをメディア側が提供するものなのか否かという事です。
R25という雑誌においてリニアが意識されていることが本書で述べられていますが、ウェブサイトへランディングした人の目的や思考がリニア的なものを望んでいるのか、それともノンリニア的に例えばECサイトで価格さえ見れれば良しと考えているのか否かをメディア側がどう意識し、ウェブサイトを設計する必要があるのかということです。

もちろん結論としては、ウェブサイトにノンリニア的な欲求で訪問する人とリニア的な欲求で訪問する人の両者がいるのであれば、両方のニーズを満たすことが重要なわけです。
例えばECサイトにおいて「欲しい」という欲求はノンリニア的なものが多いと思われるので、即座にアフォーダンス的な障壁無く購入できる流れを構築することが重要ですが、一方でその商品の機能を見たり、その商品で何が出来るかを知りたいと思った人には、実際に使っている人のレビューやストーリーが読み物として成立しうる見せ方が重要となるでしょう。

カメラなんかが特にいい例ではないでしょうか?
開発者ストーリーが提示され、そのカメラで撮影された写真のサンプルがあり、自分の中でのストーリーと親和性が高いコンテンツに仕上がっています。Flickrで提供されている、あるカメラでどのような写真が撮影されているのかという視点もノンリニア的ですが、最初から最後までとは言わずともダラダラ見てしまう点から言えばリニア的な側面もわずかながら存在しているのかもしれません。

こう見てくると、1サイトとして見た場合のリニア・ノンリニア的側面と、1コンテンツまたは1特集として見た場合のリニア・ノンリニアというものが定義出来るのではないでしょうか?

この「コンテンツ」軸に考えるメディア論は、恐らく読む人によって様々な意見や考え方、そして自分の考えを深めてくれる章なのではないでしょうか?

さらっと読めてしまう部分ですが、考えて読むと難しくてなかなか自分の考えがまとまりませんでした。

色々読んでくると田端さんがオフラインメディア的思考が強い人なんだなと感じてきますが、最後に一つだけ。今ウェブ広告業界は、どのサイトが最もエンゲージメントが高いかを争っている状況となっており、その意味においてPV価値なんて言っていては既に時代遅れだと私は思っています。


MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体

「人を動かす」を読んで、インターネットに思いをふける

この書を読むと人と人との関係というものを再度見直さざるを得なくなるとともに、自分の未熟さを知るわけですが、インターネットというOnlineが生活の中心に入り始め、OfflineだけではなくOnlineサービスについても考えさせられました。

ヘンリー・フォードの「成功の秘訣があるとすれば、それは、他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場から物事を見ることの出来る能力」という言葉や、人のためにつくすことの大切さなど、人生訓として心に留めておく必要のある言葉や考え方の数々が本書全体をとおして散りばめられているわけです。

この本を読んでいると、前職の会長が末端の人間の名前や趣味などを1年たっても記憶しており、立ち話で話題に上がり、衝撃を受けたことを思い出しますが、今インターネットでSNSが中心となり、より自己へ関心が向かいやすくなり、生活の中心に入り込んでいることを考えると、インターネット上でサービス提供側が本書に書かれている精神を作り出す、即ち舞台を用意することが重要なんだろうと感じました。

インターネットで自分の興味が中心となり、何か特別な考えがなければ、ある人物に気に入られたい、関係を持ちたいなどとは考えにくくなっているのではないかと思っていますが ー それは自分の興味関心のある情報しか取得しないということにも繋がりますが ー インターネットのサービスに対するエンゲージメントとは何かを考えると、そこで欲しい情報が得られるということももちろん大切ですが、サービス提供側が如何にその人の関心を表に出し、その人を舞台に上げることが重要なのかもしれないと感じました。

特に趣味の分野においては、その拘りを「いいね!」と言ってもらえる環境づくりが大切なんだろうと再認識しました。クルマやバイクのカスタムで考えると、もしカスタムされた写真を見て、「あの商品はなんだろう?」という疑問がその場で解決できる情報の見せ方をしているのであれば、真のリコメンドというのは極端かも知れませんが、カスタム車両の写真を並べるだけでもいいのではないかと思ったりもします。それは本書でいう「思いつかせる」という部分の実現です。メールマガジンで数点の写真だけを送るという方法も可能になる気がします。

「対抗意識を刺激する」というのは現在のマーケティングでいうゲーミフィケーション分野なのでしょう。あえて見せる事で対抗意識に火をつける。そしてそこをフックにエンゲージメントを高めるという手法です。

インターネットだからこそ、キュレーションから生まれるセレンディピティとエンゲージメントの両面からユーザーニーズを強くサポートし、強化するという流れを作り出すことが出来るのかもしれません。そもそもウェブサイトで1対1の対応が出来ないからこそ、提案方法が難しく、セレンディピティの重要さが語られるようになったのかもしれないと思います。

一方で、ウェブ上での評判という側面もインターネット上のブランドブランディング的な観点からも重要で、考えなければなりません。SNSでのポジティブな拡散やネガティブな拡散、炎上はサービス提供側の不誠実さから端を発するものが多いのかもしれませんが、企業と個人の1対1で受けた1個人の印象がSNSへ拡散することもあり、古くは東芝クレーマー事件から現代の炎上に至るまで、1対1においても相手を尊重した対応が必要になることでしょう。

今、インターネットにより過去に例がないほど個人がフィーチャーされ、自分中心の考え方が板についてきていますが、ウェブ上での「おもてなし」や相手の立場にたって考えるというような基本的なコミュニティ概念をインターネットで形成すべきなのは企業側が率先すべきなのではないかと感じました。


人を動かす 新装版