【書評】ジェフ・ベゾスの人となりと企業戦略を知る「ワンクリック」

Amazonの次から次へと打ち出されるサービスや戦略の数々に、びっくりさせられることが多いのですが、その根本にある原動力は、やはりジェフ・ベゾスその人の思想にあります。

モンテッソーリ教育を受けたベゾスですが、勉強することで何でも自分で実現できるという強い思想が感じられます。システムに明るいジェフ・ベゾスの先見の明は素晴らしいものがありますね。ただ、時々噂になるAmazonが取引先に対し圧力をかけるやり方というのも、ちょっとどうだろう・・・と思ったりします。

消費者のためにならない権利団体などを破壊する動きは大切なのかもしれませんが、本の著者がそもそも儲けることが出来ないような市場にはするべきではないでしょう。
今AmazonはKindle端末により電子書籍を大きく推進しているわけですが、これは本のデジタル化が必然の流れと感じている、または必然の流れに世界を誘導していくという強い意志の現れなのだろうと思います。

そして、良い本が良い評価を受け、著者が儲けるという流れをデジタルの世界でどこまで実現できるかを想像し、進めているのではないでしょうか?

本書を読んで、ジェフ・ベゾスの言動が顧客を大切にしているというメッセージに重きをおいた、パフォーマンスのように思えてならないわけですが、知らない一面を知ることが出来たという意味で、とても良い本だと思います。

最後に2つほど、言葉を紹介。

IPOの1ヶ月前
「サクサクと気持よく反応するサイトで、まるで生きているように感じられる。英語で書かれたあらゆるタイトルが指先ひとつで手に入るのはワクワクするし、読者のレビューがあるので対等なやり取りもできる」

ミュージックストア発表時
「我々は、電子商取引ならここという場所になりたいと考えています。誰かが何かをオンラインで買いたいと考えた時、それが我々が取り扱っていないものであっても我々のところへ来てもらえるようになりたいのです。オンラインで買ってもいいかなぁと思うものをオンラインで簡単に見つけられるようにしたい-売るのが我々でなくても、です」


ワンクリック―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛
Share:

0 コメント:

コメントを投稿