【新刊】Googleアナリティクス4のやさしい教科書。手を動かしながら学ぶアクセス解析の基本と実践ポイント

 Googleアナリティクスに関する新刊「Googleアナリティクス4のやさしい教科書。手を動かしながら学ぶアクセス解析の基本と実践ポイント」の電子本が出たので読みました。昔発売されたUniversal Analytics版のGoogle Analytics4版です。ざっと目次はこんな感じ。

  • CHAPTER1 分析指標はこれだけ覚えておけば大丈夫
  • CHAPTER2 Googleアナリティクス4の管理画面と分析機能
  • CHAPTER3 ユーザー軸・集客軸で分析するケーススタディ
  • CHAPTER4 行動軸で分析するケーススタディ
  • CHAPTER5 Googleアナリティクス4のさまざまな設定
本書では、これからGoogle Analayticsを触ってみよう、またはUniversal Analyticsは知ってるけど新しいGoogle Analyticsは使い慣れていないという方が、実務に活かすことができ、なおかつ多用するレベルになるための解説書となっています。Google Analytics4について全く知識がない状態だと多少とっつきづらいかもしれないので、その場合は入門書を別に用意すると良いでしょう。

まだGoogle Analyticsをこれから導入されるという方は最後のChapter5を読みながら設定を終えて、その後にChapter1から順に読むのが良いでしょう。

昔のUniversal Analytics版も同じ流れなのですが、本書の特徴的なポイントは、ツール本でありがちなツール導入、環境や設定、見方の説明が最初には無く、Google Analyticsを利用したウェブ改善を行うにあたっての、課題感や目標、知りたいことを明確化するというポイントから入っている点です。

■Chapter1

本Chapterでは大枠としてGoogle Analyticsで、こんなものが見れますという概要とその定義の紹介となっています。

■Chapter2・Chapter3・Chapter4

Google Analyticsの実際の利用の仕方にターゲットを合わせて各分析メニューで、どのような指標を分析できるのか、どう見れば良いのかが解説されています。
Chapter2では基本的な使い方という側面が大きいですがChapter3では目的別に、どうすればそのデータは見れるかが解説されています。

この目的別の分析手順が載っていて嬉しい点としては、使っていなかった機能について再認識するというのもあるのですが、いつも自分が行っている分析の仕方の正しさの確認になるからというのもあります。少し不安に思っていたのは「フィルタ」の使い方で、どうしても「フィルタ」というとレポートに表示したディメンションに対するフィルタのようなイメージが強かったものの本書を読んでいると独立して考えて良さそう。

すでにGoogle Analyticsを利用して分析されている方に関しては、分析課題・目的を見てGoogle Analyticsだとどのページを利用すればよいか、どう設定すれば確認できるかを想像しながら読むと良いですね。

ページ別訪問数を紹介する部分で、何故かその数ページだけ思いっきりUniversal Analyticsの話しかしていないな?というページはありましたが、まぁGoogle Analytics4だとイコールの指標はないししょうがないかもしれません...が、Universal Analytics版から特に修正されていない、けど重要な概念だから残したというページなのかもしれません。少し混乱を招くだけなのかもしれない。。

■Chapter5

Google Analyticsの設定方法と最低限確認しておくべき設定と変更ポイントの解説です。

■所感

今はGoogle Analytics4と言ったほうが良いかもしれないけれども、個人的には社内でも「新Google Analytics」とだけ言っていて、もう普通に「Google Analytics」と呼んでしまって良いのではないかなと最近は思っていたりします。

本書はUniversal Analyticsがサポート終了のお知らせも出たし、新しくGoogle Analytics4を触り始めたけど分析の仕方がイマイチわからないという人には最適なのではないかなと思います。

私個人的にも、いつも「探索」レポートばかり使っていたこともあって、ノーマルレポート活用の部分や使用していないコマース部分、まだGoogle Analytics4では利用していない広告まわりも勉強になりました。細かい定義部分で自分が忘れていた部分もあったので知識補完の意味でも本書に目を通しておいて良かったと思いました。

Google Analytics4でクロスドメイン分析するとき、ノーマルレポートは一部役立たなくなるイメージが強くてセカンダリディメンションにホスト名を表示しなければならず、他に分析が一切できなくなったりする事もあるので「探索」を利用したほうがはやいんですよね。。。

内容には特段関係ない部分で軽微な誤植とちょっとだけ誤った情報がありますが、それはどうでも良いというか、すぐ気づくという点で本書の評価には全然関係ないものとなります。

例えば「おい!」って思ったのは "gmailやyahooメール内リンク経由流入にreferrer情報が無いというのはreferrer情報が暗号化されている" と書いてあって、「おいおいシステム何も知らんな?ちゃんと調べようぜ...」っていう悲しい気持ちになりました。yahooメールは調べていませんがgmailに関しては少なくともリファラ情報を渡していないというのが正解で、実際の仕組みとしてはwww.google.com経由リダイレクトとなっていて、かつ302リダイレクトであること、そしてクライアント情報が意図的に存在しないので、飛んできた先のウェブサイト側としては最終的にどこかの不明なアプリ経由でウェブページが開かれたような認識をされるというのが概要。

不安になって調べてみたけど1回Google先生に聞くと回答が出てきた。もしかすると最新の仕組みは違うのかもしれないけど、暗号化とはDoHでも想像してるのかな?と思いつつ何故か凄い引っかかりました😌

Google Analytics4の探索レポートはオーナーしか分析期間変更が行えない

 すでに色んな方が言及されている可能性もありますが、「探索」レポートはレポートオーナーしか分析期間の編集が行えません。もちろんその他のディメンションやメトリクスなども変更できませんが、カスタムレポートのようにレポートを作って共有し、"あとはみんなで自由に期間絞って分析してね"とはいきません。。。

この「探索」レポートで作成したレポート左上にある「期間」がオーナーしか変更できないのです。


レポート自体はスナップショット扱いのためレポートの「共有」メニューはありますが、共有したところで他の人は一切編集ができないためレポートは複製する必要があります。「探索」のレポート一覧で共有されたレポートを複製して自分がオーナーとなる必要があります。


この仕様、正規表現含めてレポートを作ってあげて共有しているのに複製されることでレポートのUpdateが出来ないんですよね。

再度Update連絡を入れて再複製してもらえれば良いのですが、とてもツライ仕様です。

(参考)How can I share an exploration to another user edit

【失敗談】GA4のレポート作成で必ず気をつけるディメンションについて

 GA4をメインで運用していて細かく書きたいトピックスもあるものの、Universal Analytics終了が告知され、恐らくデータをAPIで取得している場合も同様のタイミングでサポートが終了されるであろうという、このタイミングで色々書きたい事があるものの、1点だけ強調しておきたい点を失敗談としてメモしておこうかと思います。

TL;DR

Google Analytics4のデータを用いて分析レポートを作成する場合、ユーザ単位は別として、必ずディメンションの「イベント名」でフィルタすることを忘れない事。イベントの下の階層の「パラメータ」ディメンションでレポートを作ると痛い目を見るかも。

※私は「探索」を利用していますがデータポータル含め各種ツールでも同様だと思います

※Universal Analyticsと数値比較が出来る現在なら気づくと思いますが、Universal Analyticsのサポート終了後は本当に気をつけてほしい...

今更何を言ってるんだ?

Google Analytics4は「イベント」が計測単位となっている事は少し勉強し始めた方にはご認識の通りです。またBigqueryへデータを連携してBigquery側でデータを見たことがある人も感覚として一つのイベントに各種パラメータが格納されていることが分かると思います。



つまりデータの構造として以下のような図となり、page_viewイベントの下にパラメータとしてpage_location(ページURL)とpage_referrer(直前の参照元)が存在しています。

この状態で、例えば以下のようなイベントが存在した場合が問題となるパターンです。

私が失敗した例はこれに似たパターンです。上記のようなデータの持ち方をしていてURLごとのレポートを作成したい場合、「page_location」をディメンションとして他のディメンションをくっつけたり、メトリクスを出力することになりますが、イベント名「page_view」で絞り込んでいない場合、他のイベント(上の図でいうとcustom_event)で「page_location」がパラメータとして含まれているものも一緒に計測データに入ってしまっていて、メトリクスの数字データが大きくなってしまっていた訳です。

バーチャルページビューやカスタムイベントなどにも必要であれば自分で複数のパラメータを導入していたことが原因ではありますが、Universal Analyticsの感覚のまま分析レポートで見たい情報をディメンションとして追加して、メトリクスを組み合わせてデータ出力すると痛い目を見る可能性があります。

特にメトリクスの数値が小さかったり、初めてデータを取得する場合。

こんなことってあり得るの?

Google Analytics4のデフォルトイベント設定で実際発生するかはBigqueryを洗えば良いのですが未調査なので存在しないかもしれません。

ただ私の場合は「イベント名変更」など、別の作業を想定してカスタムイベントを組んでいたため、イベント名変更に利用したいパラメータなどを一緒にくっつけたりしていた事が完全に悪い方へ働いたというわけです。


Universal Analyticsを利用していた人は特にかもしれませんが、Google Analytics4を利用する方はデータ取得する場合、必要なくても「イベント名」絞り込みは意識してください。

パラメータでデータを引っ張る前にイベント名で絞り込んでからパラメータでデータを引っ張りましょう。

自動取得イベントの一覧にもイベント名が書かれていますので確認してください。

[追記]文字が多くよく分かりにくくなっていたので、図を追加して文章も一部修正しました。

2022年2月のGoogle AnalyticsとSearch Consoleドキュメント系アップデート

 更新されたドキュメントの中でも、ちょっと個人的に気になったものです。今月はAPIまわりの更新が多かった印象です。

最近もHOME画面が追加されたりと変化がありますが、昨年末から全レポートをGA4の「探索」で生成し他の人へ共有していて、恥ずかしながらそれを皆が自由に分析出来ていると思っていたのですが、期間指定でさえレポートのオーナーしか編集出来ないことに最近気づきました

追加でGoogleがヘルプで推奨している通りGTM経由のGA4発火タイミングを初期化タイミングにしたのでデータもGA4優先に切り替え完了しました(みんなもタイミングを早めましょう

■Google Analytics

■Google Search / Search Console

■Google Tag Manager
  • Google オプティマイズ
    • 「www.googleoptimize.com ドメインからオプティマイズ スニペットを読み込む」のチェックボックスオンガ推奨
    • CSPの影響は受けるということなのでCSPを設定されている場合はドメインを許可する感じになると思います
  • Custom template APIs
    • 同意ステータス絡みのAPIが追加
      • addConsentListener
      • isConsentGranted
      • setDefaultConsentState
      • updateConsentState
  • Google Ads conversions
    • サーバサイドタグ時のEnhanced Conversionsの説明が追加。
  • Server-side tagging
    • 大したネタではありませんが、サーバサイドタグ設定したらドメインはデフォルトじゃなくてちゃんとサブドメイン設定してねという内容が追加されてて笑ってしまいました