GA4のキーボードショートカットはUAとほぼ一緒

 GA4でもUAと同じようにショートカットを使って期間変更をしていたのですが、ふと思ってショートカットの一覧を見るとUAとGA4はショートカットが一緒だったのですね。今更気づきました。

レポート画面で「?」をキーボード入力するとショートカット一覧が見れます。

■UAショートカット一覧


■GA4ショートカット一覧


GA4だと直近28日なども期間が選べるので、個人的にはd + 数字の組み合わせで任意の直近期間レポートが閲覧できたらいいなとUAの頃から思っています。


「プロが教えるいちばん詳しいGoogle Analytics4」は本タイトルに負けない素晴らしい出来

 Googleアナリティクス4に関する本はまだまだ出始めたばかりで、知見がまとめられたものも数が少ない。一方でGoogleアナリティクス4自体が毎月のようにアップデートされ、過去のドキュメントが数カ月後には情報が古くなってしまっている。

情報発信側自体が古い情報のまま教えている事も多くなり、私も日々気をつけなければならないと感じている。

この「プロが教えるいちばん詳しいGoogle Analytics4」もそうした情報が日々更新される中での発刊ということを踏まえつつ読む必要があるかもしれないが目次は以下となっている。

  1. Googleアナリティクス4とは
  2. Googleアナリティクス4のレポートを確認する
  3. Googleアナリティクス4の「広告ワークスペース」でアトリビューション分析を行う
  4. Googleアナリティクス4の「データ探索ツール」でデータを詳細に分析する
  5. Googleアナリティクス4の利用を開始する
  6. Googleタグマネージャーの利用を開始する
  7. ユーザーの権限管理を行う
  8. イベントの計測設定を行う
  9. コンバージョンイベントの計測設定を行う
  10. ユーザーID・カスタム定義・コンテンツグループの計測設定を行う
  11. eコマーストラッキングの設定を行う
  12. Googleアナリティクス4プロパティにSearch Consoleをリンクする
  13. Googleアナリティクス4プロパティにGoogle広告アカウントをリンクする
  14. Googleアナリティクス4プロパティにGoogleオプティマイズコンテナをリンクする
  15. Googleアナリティクス4プロパティのデータをデータポータルで可視化する
  16. Googleアナリティクス4のデータをBigQueryにエクスポートする

見てわかるとおり、他書で触れられていないGoogleプロダクト間リンクがあったり、自分で手動設定する部分についてサンプルのコードが付いていたりするのがポイント。(パッと見ソースコードにケアレスミスがありそうな気がしている。)他にも、恐らく様々なウェブサイトにおけるコンサルティングや事象を解決してきた経験値が盛り込まれているなと感じる点もあり、とても素晴らしい内容となっている。

また他書以上に今後実装される(直近実装された)機能だったり注意事項がしっかり書かれている点でも非常に評価できる。一部執筆中に機能追加があったであろう関係で本の前半には無かったものが、あとあと画面説明に登場したりしているが。

唯一欠点としては設定画面単位の項目説明が行われている部分だと、一つの目的に対し設定画面複数を見る必要がある場合、説明内容が分裂しているという点かなと思うが本書構成に照らし合わせると最適化されているように思う。

後半Chapterで数ページしか存在しないものは、まぁご愛嬌ということで。

関係ない話だけど...カスタムディメンションに登録すると便利なイベントパラメータって、なんで必要なんだっけ?って思うものがある。なんでか凄く気になる...

イベントやカスタムディメンションの追加は一度よく考えよう

 GA4では「拡張計測機能」がデフォルトONになっています。「拡張計測機能」ではコンテンツのインタラクションを自動でイベントとして収集するものです。(ヘルプ)

tl;dr

イベントやカスタムディメンションを新規に作成する場合、「拡張計測機能」がデフォルトのONになっているか、OFFになっているかで作成すべきか否かが変わります。

「拡張計測機能」を利用しない場合は、自分で「拡張計測機能」で計測されるイベントを設定する必要があります。(ヘルプ - 「イベントを無効にしてから手動で再作成する」参照)

内容

最近、人と話をしているときに「拡張計測機能」がONにも関わらず、自動計測されているイベントやカスタムディメンションを作成されているパターンをポツポツ見る気がしています。もしかすると、それが絶対必要なパターンというのもあるのかもしれませんが、普段レポートや分析をしていて必要だと思ったことがありません。

例えば最近見た事例では「事前定義」に存在する「リンクID」や「リンクテキスト」をカスタムディメンションで再定義している事例。

■「探索」レポートでのディメンション選択画面

■標準レポートのカスタマイズでの「サイズ」からディメンション選択画面

もちろん個別に作ることで何か不具合が起きる事もなく、値が上書きされるだけという理解なので設定しても良いかもしれません。

ただ、カスタムイベントやカスタムディメンションは無料版の場合50個制限など、作成できる上限が決まっているので個人的には「拡張計測機能」がONであれば自動収集イベントやそのパラメータまで設定する必要はないと思います。

カスタムディメンションだけならまだしも、イベントも作成すると後々面倒なことになる場合があります。(私は自分で作成したものをレポートに使用してしまっているため1プロパティで過去の負の遺産を消すべきか否か迷っています)

まずは「拡張計測機能」のON/OFFで、その後の設定の手順が変わるのでウェブ上の解説ドキュメントが自社サイトの設定に合っているかどうかは確認する必要があると考えています。GA4は面倒な点が多いと思われがちですが、実はそんなに大変な事はないのです。(データまわりには未だに苦しんでいますが)

カスタムイベントやカスタムディメンションの作成時には既に存在していないか、既にデータの取得ができていないか、レポートを作成してみてデータが抜けていないか等を確認されることを推奨します。

GA4を導入したらメニューにUAで存在していたレポートを追加する

 GA4を触り始めた方で特にUAに慣れている方はUAで存在していたレポートを作ることから始めても良いかもしれません。一つレポートを作って見ると、ほかは全部やり方が同じなので試してみると良いかもしれません。

レポートを1から作るのは大変なので基本的には既存レポートを複製しながら作成します。

■「参照元/メディア」レポート

1.「参照元/メディア」は集客コレクションなので、「集客」の「トラフィック獲得」を複製しましょう。まず、「トラフィック獲得」画面で右上のカスタマイズボタンを押す


2.「サイズ」がディメンション設定なので「サイズ」を変更します。ディメンションの設定は「セッションの参照元/メディア」をデフォルトとしつつ、必要なディメンションを選択して「適用」を押す



※ ここで選択したディメンションはレポートのテーブル部分、プライマリディメンションの選択肢になります。


3. レポートを「新しいレポート」として保存します


4.レポートの名前は何でも良いですが「参照元 / メディア」などとして「保存」します


5. 「保存」したらメニューに追加します。レポートの「ライブラリ」に今保存したレポートが表示されています。今回は「ライフサイクル」コレクションにレポートを追加しますので、ライフサイクルの「コレクションを編集」を選択


6.集客メニューにドラッグで追加します


7.これでレポートがメニューに追加されます。


■「すべてのページ」レポート

以下の「すべてのページ」はWEB URLのみしか表示されませんので、アプリデータは空データ扱いとなります。

1.「すべてのページ」はエンゲージメントコレクションなので、「エンゲージメント」の「ページとスクリーン」を複製しましょう。まず、「ページとスクリーン」画面で右上のカスタマイズボタンを押す


2. 「サイズ」がディメンション設定なので「サイズ」を変更します。ディメンションの設定は「ページの場所」をデフォルトとしつつ、必要なディメンションを選択して「適用」を押す


3.レポートを「新しいレポート」として保存します


4.レポートの名前は何でも良いですが「すべてのページ」などとして「保存」します


5.「保存」したらメニューに追加します。レポートの「ライブラリ」に今保存したレポートが表示されています。今回は「ライフサイクル」コレクションにレポートを追加しますので、ライフサイクルの「コレクションを編集」を選択


6.エンゲージメントメニューにドラッグで追加します


7.これでレポートがメニューに追加されます。


■他にも色々

同じ手順でUAにあるようなレポートを作っておけば、該当プロパティを閲覧できる人も見れるようになります。「探索」で作ると共有設定したり、複製してもらったり、メンテナンスでも手を焼くことになるので、まずはメニューにレポートを追加するところから作業をしてみると良いと思います。

このレポート作成ではフィルタはかけられないので、皆がよく利用するUAのデフォルトのレポートを作っていくのが良いと思います。

【追記】

ディメンションを「参照元 / メディア」で作成していましたが、「セッションの参照元 / メディア」が正しいものとなります

2022年6月のGoogle AnalyticsとSearch Consoleドキュメント系アップデート

 更新されたドキュメントの中でも、ちょっと個人的に気になったものです。

■Google Analytics

  • レポート用識別子
    • 同一ユーザ特定の順番に「モデリング」追加
    • 個の特定はUser-ID > Google シグナル > デバイス ID > モデリングの順
    • 選択出来るレポート識別子種類 : ブレンド、モニタリング対象、デバイスベース
    • モデリングとはCookieレスでイベントデータのみから推定される模様
    • 同意モードでanalytics_storageがdenied設定となっている場合もモデリングで推定される
  • About sessions
    • セッション数に関しては以前から推定データが採用されていることがヘルプに書かれていますが、Bigqueryとレポートとのデータ差異について解説が追加。
    • Bigqueryデータのほうが正確ということですが、傾向は推定データでも十分に役割が果たせており、料金がかかってもよければBigquery側で確認しても良いという程度かなと思います
  • カスタム ディメンションとカスタム指標
    • おすすめの方法として高基数説明追加
  • URL builders: Collect campaign data with custom URLs
    • パラメータを更に追加
    • utm_source_platform
    • utm_campaign_id
  • ディメンションと指標
    • 指標追加
    • 広告関連 : 手動広告コンテンツ、手動キーワードなど
    • eコマース : アイテムの割引額、アイテムの収益
  • 自動収集イベント
    • 広告周りのディメンションが一部追加、名前修正
  • デフォルト チャネル グループ
    • 2022年6月15日以前のデータはチャネル間のデータ不整合の発生可能性有
  • データ削除リクエスト
    • データ削除リクエストの処理には、削除されるデータの量に応じて 7~63 日かかる
  • Measurement Protocol - Sending events
    • session idを送信出来ることになったのでセッションレベルのレポートも可能となった
  • 統合プロパティについて
    • 統合プロパティとその参照元プロパティから Google 広告アカウントへの固有リンク : 200 -> 400
  • [新規]同意モードの行動モデリング
    • 「アナリティクスの Cookie を拒否したユーザーの行動を、アナリティクスの Cookie を受け入れた類似ユーザーの行動を基にモデル化」
    • 「行動モデリングがレポートに含められるのは、モデルの品質に高い信頼性がある場合のみ」
  • [新規]e コマース
    • コマースについては設定からレポーティングまでのヘルプが追加された
■検索・Search Console
■Google Tag Manager
  • Custom template APIs
    • 新しいAPI追加。パーミッション系で利用できるという事例が書かれていますが、それ以外にも利用価値はありそう。
      • gtagSet
      • Associated permissions