Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学
タイトルそして章タイトルにすべての意志が詰まっている本書ですが、スティーブ・ジョブズと10年以上も仕事を共にした筆者だからこそ書ける事実、特にマーケティングや会社としてのビジョン部分に関して知ること、感じることが出来る本です。
本書タイトルの「シンプル」という言葉自体は最初から最後まで常に登場します。それは章タイトルが「シンプル」さを補強するものであるからでもあります。
物事をシンプルに考えることは常に正しい事を導くわけではありませんが、しかしながら「シンプル」に物事をすることは、より考えぬく事と同義でもあるのです。
複数のサブアイディアを考えたり、「これならいけるだろう」という程度の認識では全くダメで、更に深く考え一つのシンプルにたどり着く事が重要です。
また「人間はシンプルさを好む」という1つの真理に基づき、複雑な解決策よりもシンプルな解決策を好んで選ぶという事実を理解し、信じ、利用する事が大きな成功をもたらすという信念に基づいているのです。
本書を読むと時々シンプルさを失っているのではないかと思う状況もあります。しかしながら必ず最後にはシンプルなものが勝利するのです。それはAppleのマインドを社員・役員や取引先も含め理解していること、そしてそのシンプルさをスティーブ・ジョブズが選択すること自体、人の真理を突いており、その事実を認識せざるを得ません。
スティーブ・ジョブズの人柄を本書でより理解することが出来、彼の信念や考え方、行動の一貫性を理解することが出来る良書だと思います。
Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学
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