How to Change the World 〜チェンジ・マネジメント3.0〜
本書は「チェンジマネジメント」という概念を学ぶものであり、それは「真剣になれば、より効果的なチェンジ・エージェントになる方法を学ぶことができる」というものです。
組織の継続的な改善で最も難しいのが「他人の行動を変えること」。もちろん「人間は他人の行動を変えることはできません。」という概念は正しいけれども、少なくともやってみることが出来る。これがチェンジマネジメントの基礎概念です。
そのためにはマインドセットを変えることが重要となります。
チェンジマネジメントにおける4つのモデルがこれ。
1.システムとダンスする(PDCAモデルを活用)
2.人々のことを気にかける(ADKARモデルを活用)
3.ネットワークを刺激する(普及曲線モデルを活用)
4.環境を変える(5つのIモデルを活用)
PDCAで言うなれば、人を動かすための目標の明確化、小さな誰でも理解できるステップからの開始、高速なフィードバックと改善です。
ADKARモデルでは
1.変化する必要性の認識(Awareness)
2.変化に参加し、変化をサポートしたいという欲求(Desire)
3.変化させる方法(および変更がどのようなものか)の知識(Knowledge)
4.日常的に変化を実際に起こす能力(Ability)
5.起きている変化を継続するための補強(Reinforcement)
を意識することが大切です。
言うだけでなく実際に行なって見せ、人間の本質欲求である地位や名誉、好奇心などをターゲットにし、語るだけでなく実際に心と身体を動かして教えあう。最後に繰り返し実行し、小さな成功を祝福することで、正しい方向へ進んでいることを実感させ、継続的にコミットメントする価値を提供することが大事です。
また、その考えをウイルス的に伝播させるには普及曲線を意識することが大事です。
心理学者Kurt Lewinによれば、人の振る舞いとは人とその置かれた環境の関数です。何が起こっているかをはっきり見えるように環境を変えることも大事なのです。
本書は組織の中の自分という視点だけでなく、自己変革としても利用できる良書だと思います。それは人の心理に基づいたものでもあるからです。
How to Change the World 〜チェンジ・マネジメント3.0〜
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