【読了】ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

海外で少しずつ話題になり始め国内にも入ってきたBusiness Model Canvas。Business Model Canvasとはビジネスを考える上でのフレームワークです。日本でも楽天を始めいくつかの企業でBusiness Model Canvasを用いた新規事業の立ち上げや既存事業の拡張などが行われ始めました。

海外ではIBMを始め自治体やNPOなど幅広く利用されていますが、このBusiness Model Canvasを簡単に言えば、ビジネスモデルを作る・考える・拡張するためのモデルです。このCanvasとSWOT、Canvasとブルーオーシャンなどを組み合わせることで強烈なイノベーションを巻き起こす、またはAmazonのようなWeak Point打破をやってのける事が出来るでしょう。

Canvasは企業視点とユーザー視点、そして利益、本書の言葉で言うなれば「顧客」「価値提案」「インフラ」「資金」の領域をカバーした9つの構築ブロックで構成され、戦略の青写真としての役割を果たします。

本書では、海外有名企業をBusiness Model Canvasにのせてみて、実際にどのように顧客に価値を提供し、収益を得、Weak Pointをどのように埋め、逆に強みとしているかが多く例示されています。

そして、まっさらな状態から紙を埋めていくのではなく、考えるための多くの質問やパターンランゲージが散りばめられているのです。

本書第2章の「パターン」では、多くのビジネス書で紹介されてきたパターンランゲージとしての「ロングテール」「マルチサイドプラットフォーム」「フリー戦略」などの紹介・説明を。

第3章の「デザイン」では"デザイン"の世界で主に用いられている手法からビジネスモデルを組み上げるための「ビジュアルシンキング」「プロトタイピング」「ストーリーテリング」などの紹介・説明を。

第4章の「ストラテジー」では外部、内部をSWOT等を交えて評価し、複数の戦略から何を選択していけばよいかのヒントが散りばめられており、またSWOTに関しても強力な質問に答えていくだけで点数化するようなサポートも行われています。

これだけ書いても、本書がいかに内容の濃いものとなっているかが分かるとおもいます。
楽天の方が実際に言っていたのですが、役職的に下のものが考えるCanvasと経営陣のCanvasでは大きな乖離が出るため、実際にCanvasが有効となるパターンとしては経営クラスも交え作成していくべきだということでした。

本書は読んだだけでは全く意味をなしません。必要に応じてツールを組み合わせていくことが必要で、本書内の質問をトリガーに既存事業、外部環境等に合わせた閃きが重要です。その閃きを促す上でも「デザイン」手法等、面白い考え方が多く掲載されている良書だと思います。

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書
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