WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う
nanapi(元ロケットスタート)のけんすうさんが紹介していたことで興味を持った本です。著者のサイモン・シネック氏はTEDでも本書の内容を語られています。
本書では主に企業という側面からWhy即ち、「目的」「大義」「理念」の重要性と、常にWhyへ立ち戻る事、考える事、それを下に意思決定することの大切さが書かれています。
競合が多い業界では顧客は一体何を購入しているのでしょうか。それはWhat(していること)を買うわけではなく、それをしているWhy(理由)を購入していると本書では述べています。
企業は我々のWhatを購入させようとし向けますが、実際の人はWhyを買う。企業側はWhyを伝えず、WhatとHowだけで人を誘導しようとしているのです。
またWhatに固執するとイノベーションが失われます。例えば「鉄道会社だ」と考えている場合と「大量輸送ビジネスに関わっている」と考えていた場合では結果はどう変わるでしょうか?
現在も過去も、変わらず次々と新しい商品が出ては消える状況が繰り返されていますが、アメリカで失敗したTiVo社が言うには「なぜそれが必要なのか、消費者にはわからないのです」。つまり、Whatだけでは商品は売れず、Whyでコミュニケーションを図ることが重要なのです。
過去は、そのWhyが人と人のクチコミだけで伝播していたのかもしれません。実際に利用している状況や体験が気軽にできて、そのWhyがきっかけとなってWhatを購入するという流れだったでしょう。
では、今、インターネットでそれはどうすれば伝わるでしょうか。
インターネットでは、特に現在、伝播がしやすい環境が整っています。
パッとサイトを見て目的がわかる事、それはとてもWhyが伝えやすいかもしれません。サイトそのものはWhatですが、Whyがあれば、それがわかる、そのサイト独自の機能が存在するはずだと思います。
その点で、自分のなかでも色々と考えさせられました。
話は戻り、企業対個人ではなく、一つの企業の中でWhy、How、Whatを見ると、構造化された組織が見えてきます。
Whyがリーダー、Howが幹部、Whatが社員です。即ち、「Howレベルは、Whyを具体的なかたちにするための基盤をつくる個人やグループ」を表します。
企業内においてもWhyの理解はとても重要なものになるのです。
最後に個人におけるWhyです。
Whyは個人の意思決定においてもとても重要で意味のあるもので、また本人にとって価値をもたらすことになります。意思決定の統一性、方向性がもたらされることになるのです。
本書はリーダー向けでも、企業批判のための本でもありません。
もちろん、日本企業という枠や日本という国自身のWhyの無さが欠如していることを認識することもあると思います。しかしながら、個人のWhyを意識するきっかけとして利用されることで、何か小さな変化が起きるのでは?と感じさせてくれる本だと思います。
WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う
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