究極の顧客サービス「ザッポス体験」 ―顧客も社員も幸せにする5つの法則
ザッポスに関する本は今までも数多く出てきたが、本書はさらに深く、その文化や思想の実行を具体的に書いている本です。
「顧客に感動を与えるには、まず社員を感動させなくちゃならない」という顧客が書いたTwitterからの引用文は正に的を射ており、社員の立場にとってはモチベーション3.0の概念、つまり内発的な動機付けを強化し、また顧客にもサプライズを提供するなど顧客の立場、目線で「ワォ!」と言われるサービスを提供しています。
「電話が最高のソーシャルメディア」という言葉にあらわれている通り、顧客との接点となるコンタクトセンターを通じた人間対人間のコミュニケーションを大切にしていることもザッポスの特長です。
もちろん、ウェブサイトを通じてモノを販売している以上、ウェブサイト自体もとても重要ですが、そのウェブサイトに対する考え方もとても学ぶものが多いでしょう。
例えば、「サービスを通じてワォ!を提供するために、顧客に余計な手間をとらせないことを重視している」という基本概念から、UXに対する並外れた改善姿勢や、フォトグラファー20名により1日に16,000点の商品画像や動画の撮影、アップを行うという徹底ぶりだけを見ても、その顧客を対象としたサービスに対する姿勢を伺うことが出来るでしょう。
ECという意味においては顧客の期待するものに全て応える事が最低条件としてつねにチェックされています。その期待とは
1.ウェブサイトに掲載されている商品情報が詳細で正確であること
2.チェックアウト時に示される金額に誤りがないこと
3.約束の期間内に商品が配達されること
4.注文通りの商品が手元に届くこと
5.買った商品が想定した用途に合っていること
です。
また、サービスの付加価値を高める工夫としてあげられているのは
1.スピード重視
2.製品とサービスに関する社員の知識を高める
3.サービス・リカバリーに力を入れる
4.予測や常識をくつがえすサプライズを提供する
ことです。
それぞれの詳細の説明や事例は本書に譲りますが、一般的にコストセンターと言われがちなコンタクトセンターで、彼らの努力が実を結んだ事、およびスタッフのヤル気をかきたてるためにも顧客にワォ!を提供した後の顧客からの感謝・感激のフィードバックをもらう事がモチベーションを高めるためにも重要なのです。
他にも本書には社員教育やそのカリキュラム、イベントなど沢山のワォ!がつまっており、とても刺激的な本に仕上がっています。
究極の顧客サービス「ザッポス体験」 ―顧客も社員も幸せにする5つの法則
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