なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?
タイトルが残念だと思う事と、中身も田中氏の自伝的な要素が多く必要な部分だけ読むようなスタイルでも良いかと思います。
現在はロコンドというウェブサイトを運営する株式会社ジェイドの代表取締役である田中氏の本で、本サイトではザッポスと同様「安さ」ではなく「サービス」に重きを置いたECを実現されています。
その田中氏が今の日本に必要な事として最初に述べられているのが「自分の人生に対して責任をもって積極的に「志」に向けて突き進むこと」という一言に集約されています。
そこに至るまで、どのような人生を歩み、マッキンゼーで何を見て何を学び、何を実践してきたか、その心のなかと行動が詳細に書かれています。
本書内では「イシューからはじめよ」という、有名な本のタイトルと全く同じ言葉が登場します。私自身、まだ「イシューからはじめよ」を読んではいないので、これからというところではありますが、本書で「イシュー」の意味を正確に知ることが出来ました。
「イシュー」とは「アクション仮説をするかしないかが、経営にとって重要かどうか」です。即ち単なる「クエスチョン」ではなく「実現可能性」「費用対効果」「顧客魅力度」等のアクション仮説を明確にし、そのアクション仮説が経営にとって重要な指標、いわゆる売上や利益に与える影響が大きいか否か。これが単なる「クエスチョン」ではなく「イシュー」となります。
したがって、"常に「イシューを解く」ために分析をしていなければ、その目的が不明瞭なままやる分析はバリュー(価値)が無い"という事になるのです。
また、「イシュー」を解くための分析における「アクション仮説」は「現在やっていることを変えるべき」というメッセージでなければなりません。ただし、本書で面白いなと思ったのが、136ページ目の部分でイシューを議論した結果、事業の目的が揺らぐような場合、経営側としてはやるべきアクションは変わらないから議論をしても意味が無いという内容です。
これは所謂WHYであり、Value Propositionなのです。そこは決して揺らぐことが無い事は本書内でも同様です。
本書は田中氏の人生から学ぶ事もあるでしょうし、「イシュー」を正確に捉え自分のモノとする読み方もあると思います。本書を読んだ後では、ロコンドの今後の動きも非常に面白く見えるのではないでしょうか。
<追記>おそらく田中氏はまたどこかのタイミングで本を書かれると思います。そこが自分の言葉と思想で溢れている事を願います。
なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?
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