伝える力 (PHPビジネス新書)
長い間ベストセラーとなっている本書ですが、私自信、池上さんの本を読むのは初めてでした。
本書ではタイトル「伝える力」ということで、人に物事を伝えるために話し方や聞き方などのコミュニケーションの仕方だけでなく、文章で伝えるというビジネスで頻繁にある行為をもう一度見つめなおすきっかけとなる本です。
本書にある通り、「人は誰でも、おもしろいことや感動したこと、珍しいことなどを見たり、体験したりしたときには、他の人に伝えたくなるもの」なのです。しかしながら、うまく伝わらない事もあり、自分も相手もがっかりした結果となる事が考えられます。
「伝える」ために大事なことは「まず自分自身がしっかり理解すること」というのは、本書でも述べられていますが、これは「週刊こどもニュース」という番組で子供たちを通じて学んだ事です。
日常生活において「伝える」内容は時事問題だけではありませんが、特に教科書で学ぶような内容に関しては、教科書的な意味で「記憶」しているものが多く、その本質を掴んでいないものです。よく外部の人と話をする場合、専門用語を避けるよう指導される事が多いと思いますが、それも全く同様で専門用語をいかに分かりやすく、中学生でもわかるような言葉に言い換えられるか。これはその言葉が意味する本質を掴む必要があり、また自分がその本質を理解しなければ言葉になりません。
したがってビジネスの場面において、この「伝える」ということに注意を向ける事が大事である事がわかります。
また、文章を書くという面においても、本書内での指摘はとても役立ちます。
まずは「「〜性」「〜的」といった言葉も、便利な半面、ごまかしの利く言葉」という指摘です。確かに考えてみれば「〜性」「〜的」という言葉で、その内容が曖昧になり実効性が伴わないと言う事が往々にして存在しているように感じます。
そして詳細な解説は本書に譲りますが、「使わないほうがよい言葉や文字」として紹介されているのが、以下の言葉です。
・そして / それから
・順接の「が」
・ところで / さて
・いずれにしても
・絵文字の類
いずれも利用することで文章が曖昧になったり、人に伝わりにくくなる類のものです。
ビジネスで文書を書くことは多いのですが、このような言葉にぶち当たった時、立ち止まって再度文章を読み返す、または本当に自分が理解をしているのか?と疑ってかかることが重要です。
本書では、このような具体的な例示がされているからこそ、ビジネスで役立つ本と言われるのかもしれません。
まだ読んでいない方には一読をオススメします。
伝える力 (PHPビジネス新書)
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