思考実験: Google Analyticsで模索するパーソナライズ戦略

本ブログはただの思考実験であり実現可能性についての言及はしておりませんので、ご了承ください。

はじめに

2023年はAIが爆発的に広まり新しいサービスも次々と誕生した。マーケティング系ツールもAIが組み込まれたサービスが多くリリースされたように思う。ただ、AIが広まるとともにマーケティング環境が大きく変化したとも言えるし、マーケティングの根本は変わらないよね...とも言える。

マーケティング文脈でいうとパーソナライズの部分について直近1ヶ月程度考えていた。「パーソナライズ」なんていう言葉はここ10年以上、耳タコのように言われ続けてきた気もしている。しかしながらAIが広がるにつれて、パーソナライズがより強く叫ばれるようになったと感じるし、バズワードだと言われるかもしれないが「Hyper Personalization」ということで、より個にフォーカスし、そしてよりリアルタイムなマーケティングを実施することに言及されるようになったと感じている。

Google Analyticsを利用した実現を模索

Google Analyticsについて、いつもメモ書き程度の投稿しかしていない訳ではあるが、先月触れた「繰り返しオーディエンス リスト」は、実は大きな可能性があるのではないかと、ずっと頭から離れなかった。

概要

Google AnalyticsへUser IDを連携し、日々オーディエンスリストを更新、毎日対象ユーザーに対してバナーやメール等のツールを利用してアプローチすることを目的とする。

Google Analytics4へUser IDを連携する

Webページでログイン機能がある場合はヘルプを参考にGoogle AnalyticsへUser IDを連携します。

gtag('config', 'TAG_ID', {
  'user_id': 'USER_ID'
});

User IDはあったほうが望ましいが、実際はなくても良いと考えており、デバイスIDを利用しても良いと考えている。とはいえ以下の理由でUser IDがあると良い。

  • メールマーケティングなど、手法によってはUser IDが存在しないと施策が難しい事
  • 昨今のセキュリティ文脈によるCookie問題を受け、CDP / CRMを重視してマーケティングを行う流れに変化している事

Google Analytics4のオーディエンスリストを作成する

ヘルプを参考にしながらオーディエンスリストを作成する。ヘルプに例が掲載されているが特定のキャンペーンページを見た人や特定の機能を利用した人、特定の動きをした人などのオーディエンスも良いだろう。

繰り返しオーディエンスリストを利用してDailyでオーディエンスを生成する

ここで最初に紹介した「繰り返しオーディエンス リスト」を利用する。

POST https://analyticsdata.googleapis.com/v1alpha/properties/{propertyId}/recurringAudienceLists
{
  "audience": "properties/{propertyId}/audiences/{audienceId}",
  "dimensions": [
    {
      "dimensionName": "userId"
    }
  ]
}

dimensionNameとしてuserIDを指定することでUser IDを指定して繰り返しオーディエンスリストを作成することができる。この「繰り返し」という点がポイントで、オーディエンス メンバーシップが変更されるたびにオーディエンス リストを毎日生成し、最新のデータを使用できるようにするものと解説されている。なおdimensionNameにdeviceIdを指定することでオーディエンスリストにデバイスIDを用いる事ができる。

注意点も様々書かれているが、毎日生成する場合、前日もリストに含まれていた方に関しては除外するなどの一手間が必要になる可能性がある。この点は運用しつつ検討が必要そうだ。

DBを利用するのであれば格納した日をcreated_dateのような形やタイムスタンプとして保持しておくのも良いだろう。

繰り返しオーディエンスリストからDailyでUser IDを抽出する

オーディエンスリストのエクスポート機能を利用してUser IDのリストを抽出する。

POST https://analyticsdata.googleapis.com/v1beta/properties/{propertyId}/audienceExports/{recurringAudienceId}:query

ここで出力されるUser IDのリストを各種マーケティングへ利用することになる。

対象者向けマーケティングの実施

本ブログを書く直前まではKARTEなどへ対象者を連携したリアルタイムマーケティングを検討していた。KARTEであればGTM経由でUser ID連携ができるからだ。(個人的に利用したことが無いので機能等はよく分かっていない)

ただ恐らく毎日、または定期的に特定のUserグループに対し、特定バナーを表示するといったことは難しいのではないか...と考えるに至り、ウェブサイトにおけるバナー表示やコンテンツ切り替えに利用するのは難しいかもしれいない。他のツールを模索すべきだろう。

メールマーケティングで利用することは難しくない、毎日新規に入ってきたオーディエンスに対しメールを打つという施策は面白いかもしれない。

プッシュ通知なども同様にUser IDから施策を考えるのは容易だろう。

おわりに

AIの登場によりマーケティング環境も、特にツールと言う意味では大きく変わった。毎日分析をしてPDCAを回すやり方も良いし、そこで機械学習を利用するなどして施策を打つことも有益だが、よりリアルタイムなパーソナライズを駆使したマーケティング施策の実行へ向けて、もう少し考えを深めていきたい。

スターバックスのように400,000パターンのメールを人に当てるような、そこまで徹底した内容へ到達する事はハードルが高いと思うが、そこに至るまでの足がかりとして、周回遅れではあるけれどもGoogle Analyticsのオーディエンスを利用した施策の活用も良いのではないかと考えた。

Google Analytics側のURLにv1alphaと入っているので、alpha版であると考えると、まだ商用は厳しい可能性もあるが、一方で現状Google AnalyticsのData APIはv1alphaとv1betaの2環境しか存在しない事を踏まえると、alpha版という意味合いではないのかもしれないとも思う。

私の所属とは関係なく書いたものの、いつかこの方法を自分でも実装まで持っていきたいという気持ちもある。今後はこのような思考実験的な投稿も増やせれば増やしていきたいと思うが、普段最新のツールに触れる機会が無さすぎて考えるに至らない。とはいえ時間を作りながら、より多くのサービスに触れていこうと思う。

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