主に広告系業界で今年花開くと言われているDMPの世界。
アメリカからは数年遅れてる印象だけど、データドリブンな思考、即ち「データによって、今起きている事実を把握すること」、そして「データによって、その原因は何かを知ること」、さらに「打ち手(施策)を企画し、その結果を予測すること」を実現するためには必要な技術であることは間違いない。
広告会社的な視点は本書に譲るとして、事業会社的な視点としてはサイト内でプライベートDMPを構築し、ユーザーにアピールするためには、自社データとしてのプライベートDMPから導き出す数々の特徴量による分類を事前に保持し、新規またはリピーターの行動をリアルタイムに解析し、特徴量との相関によって素早く分類し、該当ユーザーへバナーを含めて情報を提供する必要がある。
そう考えると、自社サイトでDMPを駆使する場合、単に現在実施しているキャンペーンのバナーを表示するだけではなく、ECサイトであれば単純にサイトで提供している分類のバナーなど、ユーザーが迷うことなく目的のページへ辿り着けるようにすることも重要な施策になる。
その意味で広告業界主体で考えられているDMPの概念はやや狭く感じた。
ただ、OpenDPF構想のような外部データを利用した特徴量の把握と、オーディエンス拡張技術を利用することにより、素早いターゲティングと新規ユーザーの自社サイト誘導が可能になることは間違いないと思われ、その点では非常に可能性を感じた。
DMPを利用した外部サイトへの広告配信では、自社がターゲットと考えているペルソナと、実際に利用するペルソナの差分が埋まるだろうと思われる。そして、自社サイト内でも目的までのルート最適化など活用範囲は大きい。